ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2018年(平成30年)9月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1150 四面
漢方薬が注目を集めています。先日も政府がビッグデータを活用し漢方薬の効能などを科学的に検証する方針を固めたという報道がありました。西洋医学での治療が難しい場合でも、症状によっては改善が期待できます。治療の選択肢が広がり、西洋医学と組み合わせることで、患者さんのQOL(生活の質)向上に貢献、より良い医療につながります。自身、日常診療でよく漢方薬を処方するという、成田富里徳洲会病院(千葉県)の村山弘之・外科部長が解説します。
村山弘之・外科部長 成田富里徳洲会病院(千葉県)
漢方医学・漢方薬は中国から伝わったと考えられがちですが、歴史をひも解くと、日本に伝わった中国伝統医学(現在の中医学)が独自に発展した日本の伝統医療です。漢方薬の一例(症状別)
症状 | 漢方薬 |
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疲れやすい・だるい | 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)、清暑益気湯(せいしょえっきとう) |
寝汗・多汗 | 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)、防已黄耆湯(ぼういうおぎとう)、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう) |
眠れない、夜中に目がさめる | 加味帰脾湯(かみきひとう)、柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散(よくかんさん)、酸棗仁湯(さんそうにんとう) |
食欲がない | 六君子湯(りっくんしとう)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、補中益気湯 |
便秘・便秘にともなう症状 | 麻子仁丸(ましにんがん)、潤腸湯(じゅんちょうとう)、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、大建中湯(だいけんちゅうとう) |
かゆみ | 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、当帰飲子(とうきいんし)、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)、消風散(しょうふうさん) |
アレルギー性鼻炎(花粉症含む) | 小青竜湯(しょうせいりゅうとう) |
のどの異物感 | 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) |
冷え | 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、人参養栄湯、八味地黄丸(はちみじおうがん)、加味逍遙散(かみしょうようさん) |
更年期障害 | 加味逍遙散、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸(けいしぶくりゅうがん) |
風邪の急性期 | 葛根湯(かっこんとう)、麻黄湯(まおうとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう) |
風邪の亜急性期 | 小柴胡湯(しょうさいことう)、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう) |
風邪の遷延期 | 麦門冬湯(ばくもんどうとう)、補中益気湯 |
二日酔い・頭痛・嘔吐・めまい | 五苓散(ごれいさん) |