徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)8月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1148 三面

肺がん キャンサーボード発表
竹田・宇治徳洲会病院部長
日本臨床腫瘍学会

第16回日本臨床腫瘍学会学術集会が7月19日から3日間、兵庫県神戸市で開催され、宇治徳洲会病院(京都府)の竹田隆之・呼吸器内科部長が「セキュリティの高いWeb回線を用いた複数施設による肺がんキャンサーボードの取り組み」をテーマに口演(口頭発表)した。会場には多数の聴衆が集まり関心の高さがうかがえた。このほか徳洲会からは13演題のポスター発表があった。

参加病院は10施設に拡大

「スケールメリットを生かした診療支援の取り組みとして肺がんキャンサーボードを開始しました」と竹田部長 「スケールメリットを生かした診療支援の取り組みとして肺がんキャンサーボードを開始しました」と竹田部長

キャンサーボードは複数の診療科の医師や多職種が参加し、がん患者さんの最適な治療方針を決定する会議をいう。

徳洲会グループは昨年4月、呼吸器部会が主導し、セキュリティの強固なWeb回線を用い、複数の参加施設が診療録や画像などをリアルタイムに共有しながら実施する「肺がんキャンサーボード」を開始。より質の高い肺がん診療の提供が狙いだ。全国的にも複数施設を結ぶキャンサーボードは少ない。

宇治病院、八尾徳洲会総合病院(大阪府)、千葉西総合病院、大隅鹿屋病院(鹿児島県)で開始後、現在は湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)、羽生総合病院(埼玉県)、静岡徳洲会病院、名古屋徳洲会総合病院、吹田徳洲会病院(大阪府)、和泉市立総合医療センター(同)が加わり計10施設に拡大。毎週火曜日の午後6時から1時間程度、方針決定に難渋した症例などを中心に検討。6月末までに68回開催し検討症例は202例に達した。

口演会場には大勢の聴衆が参集 口演会場には大勢の聴衆が参集

登壇した竹田部長は徳洲会呼吸器部会長を務める。「グループ内でも呼吸器専門医は都市部の大規模病院に偏在しているため、スケールメリットを生かした診療支援として肺がんキャンサーボードを開始しました」と説明。続けて、参加施設が共有する画面を例示しながら運用方法を解説した。

最後に「より良い治療方針の決定に有用です。今後は非がん領域に関するへき地診療や遠隔医療支援などにも利用を拡大する予定です」と結んだ。口演後、竹田部長は「徳洲会グループが以前から電子カルテの共通化や通信インフラ網の整備を進めてきたからこそ実現できたものです。座長の先生からは『先進的な取り組み』と言っていただきました。今後も継続し、がん医療の分野でも徳洲会の存在感を高めていきたい」と話した。

複数施設を結び多職種が最適な治療方針を検討(写真は宇治病院) 複数施設を結び多職種が最適な治療方針を検討(写真は宇治病院)

会場に駆け付けた徳洲会オンコロジー(腫瘍学)プロジェクトの新津洋司郎顧問(札幌医科大学名誉教授)は「既存のシステムに加え、活発に活動する部会があったことが、肺がんキャンサーボードの立ち上げと継続の成功要因です」と評価。

8月14 日に実施した第70回肺がんキャンサーボードを取材した。この日は、宇治病院が2症例、大隅鹿屋病院が1症例、八尾病院が1症例を提示。薬剤性肺障害の疑いのある肺腺がんや、二次治療以降、薬物療法が奏効しない肺腺がんに対する薬剤の選択など診療方針を検討。化学放射線療法の妥当性を検討した症例もあった。

また、もう1症例は以前検討した症例で、経過報告として提示。ステージⅣAでPS(全身状態を示す指標。0~4まで5段階あり、数字が大きいほど日常生活に支障あり)1~2だったが、検討をふまえ薬物療法を実施したところ著効しPS0まで改善、仕事に復帰するなど良好な経過を報告した。

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