徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)7月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1142 三面

日本臨床工学会
徳洲会から3演題
マネジメントがテーマ

第28回日本臨床工学会が5月26日から2日間、横浜市内で開催された。医療機器の高度化や在宅医療機器の普及などで臨床工学技士(CE、ME)の役割が拡大しつつある現状をふまえ、大会テーマは「臨床工学技士とマネジメント」。徳洲会グループからは3病院の技士が口演(口頭発表)した。

事故減へ指針見直しを

髙木政雄・湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県) 臨床工学科技士長 徳洲会臨床工学部会顧問 髙木政雄・湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)
臨床工学科技士長
徳洲会臨床工学部会顧問

医療安全をテーマとしたワークショップで「血液浄化領域における医療安全マネジメント」をテーマに発表した。まず医療安全対策の歴史に言及。医療事故について「1999年に米国で『間違えない』という個人の責任に帰する考え方から、『誰でも間違える』を前提とした医療安全対策が提唱され、日本でも2007年の第5次医療法改正で『良質な医療を提供する体制』を目指すことになった」と振り返った。

同改正を契機に、日本臨床工学技士会の医療機器安全管理業務検討委員会が「保守、研修、感染、医薬品に関する指針を出した」と会の取り組みを紹介するとともに、三師会(医師会、歯科医師会、薬剤師会)や日本看護協会と医療安全全国共同行動(いのちをまもるパートナーズ)に参加するなど、職種や立場を越えて医療安全活動に尽力し、今なお活動を続けていることも付け加えた。

血液浄化領域の医療安全マネジメントについては、日本透析医会の調査から2000年と13年で「重篤な事故発生件数」が横ばいとなっているデータを提示。最後に「総じて、医療安全に関するマニュアルやガイドラインは各施設で整備されつつあるものの、透析事故件数は減少していない」との見解を示し、「各施設でさらなるマニュアル・指針の見直しが求められる」と強調した。

アラーム見逃し防止対策

岩村庸平・湘南鎌倉総合病院(神奈川県) ME室副主任 岩村庸平・湘南鎌倉総合病院(神奈川県) ME室副主任

パネルディカッションで登壇。「急性期脳梗塞における高気圧酸素治療の運用」と題し、同治療に関する自院の現況を報告した。湘南鎌倉病院では年間2000件以上の高気圧酸素(HBO)療法を実施しており、その約8割が脳梗塞。岩村副主任は「急性期脳梗塞治療の第一選択とされているアルテプラーゼ静注療法(脳の血管にある血栓を薬で溶かす治療法)は時間的な制約が多く、また出血などの副作用もあるのに対し、HBO療法は副作用が少なく、運動まひや神経症状の改善に有効との報告があるため」と、理由を説明。臨床工学技士が少なく管理面に課題があることも示唆した。

このほか、一般演題で「動脈血酸素飽和度アラームにエスカレーション機能を導入して」と題して口演。自院で動脈血酸素飽和度(SpO2) アラームによるインシデント報告があったことをふまえ、エスカレーション機能を導入し、アラームの見逃し防止に有効かどうかを検証した。

その結果、アラームを解除する割合が導入前と比べ大幅に低下してしまったことが判明。「設定数値が適切でないなど、アラームへの信頼度が低い」ことなどを要因に挙げ、単にエスカレーション機能の導入だけでは見逃し対策にはならないと指摘。適切な数値設定などに臨床工学技士が積極的に介入していく必要性を訴えた。

災害時に病院機能を維持

岩本和也・岸和田徳洲会病院(大阪府) 臨床工学室副技士長 岩本和也・岸和田徳洲会病院(大阪府) 臨床工学室副技士長

一般演題で「災害時における災害拠点病院での臨床工学技士の役割」をテーマに発表。昨年7月に内閣府主催の大規模地震時医療活動訓練に参加した時の取り組みについて報告した。

臨床工学技士で訓練に参加したのは臨床工学室技士長、岩本・副技士長ら計3人。技士長は医療機器統括者として、患者さんの安全確認や機器の破損状況の把握を行うなど医療機器を円滑に運用できるようにマネジメントする役割を務め、岩本・副技士長らは医療機器担当者として統括者の指示の下、医療機器の確保・供給役を担った。

岩本・副技士長は、こうした体制により「医療機器に関連したトラブルは発生せず、診療支援部門の一員として責務を果たせた」と報告。「災害対策本部に医療機器統括者として参画することで、災害時の病院機能を維持する一助となり得る」と、あらためてマネジメントの必要性を指摘した。

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