徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)7月9日 月曜日 徳洲新聞 NO.1141 三面

日本消化器内視鏡学会
消化器内視鏡を追究
徳洲会4病院が8演題発表

第95回日本消化器内視鏡学会総会が3日間、都内で開催され、徳洲会グループは4病院が計8演題を発表。口演(口頭発表)を中心に概要を紹介する。

福岡病院での経験をベースに発表した谷川医師 福岡病院での経験をベースに発表した谷川医師

口演は5演題。岸和田徳洲会病院(大阪府)の谷川祐二・消化器内科医師は「急性胆管炎症例における臨床細菌学的検討」と題し、当時勤務していた福岡徳洲会病院のデータをもとに発表した。

急性胆管炎は複数の細菌による感染症を起こしやすく、高い確率で菌血症(血液中に細菌が侵入している状態)をともなう。急性胆管炎の治療には早急な胆道ドレナージ(内視鏡で胆道の出口を探し、処置することで胆汁の流れを改善させる治療)が有用とされているが、同時に早急かつ適切な抗菌薬の投与も行わなければならない。福岡病院では第1選択にセフェム系抗菌薬を定めているが、谷川医師は同抗菌薬の選択が妥当かどうかを検討した。対象は2016年に同院が実施した胆道ドレナージ139人。

結果は、123人(88.5%)に同抗菌薬を初期投与し、抗菌薬を変更したのはわずかに9人(7.3%)だった。谷川医師は、初期抗菌薬として同抗菌薬を用いていることは「妥当と考える」と示唆。あらためて急性胆管炎の治療には早期のドレナージが有用であることを強調したうえで、妥当と考える背景には、早期にドレナージを行える同院の環境を指摘した。

増田医長は抗菌薬の使用について選択肢を提案 増田医長は抗菌薬の使用について選択肢を提案

同じセッションで湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の増田作栄・消化器病センター医長が「急性胆管炎における細菌培養結果からみたERCPの有用性と抗菌薬選択についての検討」と題し発表。ガイドラインでは広域抗菌薬の使用が推奨されているが、自院で経験した83例を検証した結果、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)が早期に実施できるケースでは、狭域抗菌役の使用でも問題なく胆管炎は改善。昨今、耐性菌の増加が世界的に問題となっていることから、耐性菌の減少を目的に狭域抗菌薬の使用も「選択肢のひとつと思われる」と示唆した。

東京西徳洲会病院の数納祐馬・外科医師は「高齢者の悪性胆道狭窄(きょうさく)症例に対する内視鏡治療の検討」がテーマ。高齢者の悪性胆道狭窄症が増加傾向にあることをふまえ、自院で内視鏡治療を行った80歳以上の同疾患患者さんについて検討した。

数納医師は高齢の悪性胆道狭窄症がテーマ 数納医師は高齢の悪性胆道狭窄症がテーマ

28人を対象に、患者さんの背景(性別や年齢、がんの種類など)や治療方法、合併症などから検討。また、手術もしくは化学療法を行った群と緩和ケアを行った群で生存期間の比較も行った。その結果、高齢の悪性胆道狭窄症でも、内視鏡的治療を行った後に手術や化学療法が適応・実施できるケースでは、生存期間を延長できる可能性を示した。このほか岸和田病院が2演題口演。

ポスター発表では、湘南鎌倉病院の隅田ちひろ後期研修医が「黒色嘔吐(おうと)で来院し内視鏡後、絞扼(こうやく)性腸閉塞の診断に至った一例」と題し、自院で経験したケースを報告。黒色嘔吐で救急搬送された高齢患者さんで、当初は上部消化管出血によるショックを疑い、内視鏡検査を実施したものの出血部位が特定できず、その後CT(コンピュータ断層撮影装置)検査で絞扼性腸閉塞と診断した。

隅田・後期研修医は吐血や黒色嘔吐から絞扼性腸閉塞と診断がついたケースはまれなことを指摘。同疾患に上部内視鏡検査は禁忌とされていることから、上部消化管出血のような症状が見られる場合でも、腸閉塞症例があることを念頭に置き、内視鏡検査の施行を考慮する必要性を説いた。

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