徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)11月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1110 四面

名古屋徳洲会総合病院
インペラ施設認定を取得
全国で8施設目 徳洲会で初めて

名古屋徳洲会総合病院はインペラ(IMPELLA・補助循環用ポンプカテーテル)の実施施設認定を取得した。これは薬剤抵抗性の心原性ショックのうち急性左心不全を主体とする循環不全に対する治療で使用する、補助循環装置(VAD)と同等の機能をもつポンプカテーテルのこと。ショック時の対応が迅速かつ低侵襲に行えるため、患者さんの受ける恩恵は大きく、VADとの使い分けにより効果的に使用できる。9月に保険適用され、同院は全国で8番目に施設認定を取得(11月現在19施設)。徳洲会グループでは初。

緊急時の対応が迅速かつ低侵襲

「インペラは迅速かつ低侵襲に装着できるのが特徴」と大橋総長 「インペラは迅速かつ低侵襲に装着できるのが特徴」と大橋総長

急性左心不全が起きた場合、これまでは補助循環法として大動脈内バルーンパンピング術(IABP)もしくは経皮的心肺補助法(PCPS)が実施されてきた。

IABPはバルーンの付いたカテーテルを心臓に近い大動脈に留置し、心臓の動きに合わせてバルーンを拡張・縮小させ血圧を補助する方法。ただしショックをともなう重症例では全身の流量が不足するため、IABPだけでは改善しきれないという難点がある。

PCPSは人工心肺装置を用いて体循環(血液が心臓を出て全身に送られ再び心臓に戻る)と肺循環(血液が心臓を出て肺を通り心臓に戻る)を代行し、生命を維持しながら心肺機能の改善を図る方法。ただし、この方法には心負荷軽減効果はほとんどなく、むしろ左心室に負荷を増大させるリスクがある。また、心機能改善は直接望めないため、離脱できない場合は速やかなVADへの移行が必要。

これらに代わる方法として、今年9月に保険適用されたのがインペラだ。これはVADと同等の機能をもつため、心負荷軽減と心筋循環改善による心機能改善効果が同時に期待される。VADで治療するには胸を開く大がかりな手術が必要になるが、インペラはカテーテルで行えるため緊急時でも迅速かつ低侵襲に装着可能だ。

インペラは一時的な補助装置であるため、状態が改善せず離脱不可能な場合はVADへの切り替えが必要になる。名古屋病院の大橋壯樹総長は「緊急時はインペラ、長期的な管理はVADと使い分けることで大きな力を発揮するでしょう」と評価する。

施設要件は①心臓血管外科専門医認定機構の基幹施設であること、②体外設置型補助人工心臓実施施設もしくは認定植込型補助人工心臓実施施設であるか、これらの施設と密接に連携が取れていること、③体外循環技術認定士などの補助循環に精通した技士がいること、④補助循環に習熟したスタッフを有するCCU(冠疾患集中治療室)ないしICU(集中治療室)があること――など。

さらに詳細な実施施設認定基準には、心臓血管手術年間症例100例以上、最近3年間のIABP総数30例以上、PCPS/ECMO(体外式膜型人工肺)総数20例以上、PCI(経皮的冠動脈形成術)施行総数300例以上など厳しい基準が設けられている。同院ではすべての基準をクリアしていた。

同院では来年1月の運用開始を目指し準備を進めている。今後は心臓血管外科医、循環器内科医、麻酔科医、看護師、体外循環技術認定士など治療にかかわるスタッフが、関連学会協議会の指定する講習会に参加して手技を習熟する予定。部門ごとに責任者を決めながら、なるべく全員が講習を受け、緊急時の対応ができるようにする。

大橋総長は「こうした新しい治療は患者さんのため、さらには循環器科領域の若手の育成のためにも積極的に導入していきます」と前向きな姿勢を見せると同時に、「施設要件のうち最難関は体外設置型補助人工心臓実施施設であることと、認定植込型補助人工心臓実施施設のサポートを取得していることだと思います。グループ病院であれば当院との連携でクリアできますので、徳洲会心臓血管外科部会でも各病院の施設認定の取得を進めていく予定です」と意欲的だ。

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