2017年(平成29年)9月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1099 四面
教えてドクター
気候によって体調が変化
Q.「気象病って何ですか?」(40歳・女性)
お答えします
永井哲志・武蔵野徳洲会病院(東京都)総合診療科部長
A.気象病とは、気圧や気温などの変化により、主に自律神経が影響を受けてさまざまな体調不良が現れたり、症状が悪化したりする病気の総称。
自律神経の安定には、脳内の三大神経伝達物質と表現されるセロトニンとドーパミン、ノルアドレナリンが重要です。これらは感情や精神面、記憶や運動機能、睡眠といった人体の重要な機能に深く影響を与えます。とくにセロトニンは消化管粘膜に90%、血小板中に8%、脳内の中枢神経系に2%存在し精神を安定させる働きがあり、不安、痛み、気分などを制御しています。治療ではセロトニンを増やす薬を用いますが、民間療法としては湯治もあります。おなかを温めるとセロトニンが増える作用を利用したものです。