2017年(平成29年)5月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1084 三面
湘南厚木病院
温泉旅館で医療講演
健康づくり大学に協力
「貧血」をテーマに温泉旅館で医療講演
湘南厚木病院(神奈川県)は、地元・厚木市西部にある飯山温泉や七沢温泉の旅館などで構成する厚木市健康づくり大学推進協議会が主催している“健康づくり大学”という健康増進プログラムに協力している。同大学では環境、運動、食事、温泉をキーワードに、市内外から参加者を募り、ノルディックウォーキング(2本のポールを使い歩行運動を補助し運動効果をより増強するエクササイズ)や地元の食材を用いた旬の料理、温泉入浴などを組み合わせたイベントを開催。少子高齢化が進む中、健康寿命の延伸を目指した地域活性化策のひとつでもある。
同院は管理栄養士が食事療法の医療講演を行ったり、各旅館と一緒になって地域の食材を生かしたメニューを考えたりするなど協力。
2005年に同大学はスタート。飯山温泉旅館組合の西海幹男会長は「近年は参加者の減少が課題で、もっと食事に気を配った内容に充実させ、活性化を図りたいと考えていました」と話す。
昨年9月以降、プログラムを検討する場に同院が参加。山下尚子・経営企画室長(現・湘南鎌倉総合病院地域医療連携室・広報室課長)と岩壁秀夫・総務課副主任がともに同協議会の打ち合わせに加わり、ユニークなアイデアを打ち出し取り組んできた。
今年度は計9回の開催予定で、5月17日に第1回を実施。近隣の相模原市や町田市からも申し込みがあり、参加者は昨年までよりも増え計16人。この日は深緑のなか、約6㎞のノルディックウォーキングを行い、七沢温泉の玉翠楼(ぎょくすいろう)という温泉旅館に正午頃到着。食事と講演には毎回テーマを設定、今回は「貧血」。テーブルには鉄分豊富な猪肉を使った鍋のほか、イワナの塩焼き、どじょうやいなごの珍味盛り合わせなど多彩なメニューが並んだ。
同院栄養室の林慎一郎副主任(管理栄養士)が講師を務め「貧血予防の食事」をテーマに講演。当日のメニューの栄養素や特徴、貧血予防の食事のポイントなどを解説した。参加者は食事を楽しみながら講演にうなずいていた。
今後、「高血圧症」、「脂質異常症」、「糖尿病」などのテーマを、他の8旅館で順次開催。全会場で同院が講演と食事のサポートを行う計画だ。