2017年(平成29年)5月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1084 三面
新病院で内視鏡センター構想
尾野・和泉市立病院副院長に聞く
来年4月に新築移転オープンを予定している和泉市立病院(大阪府)。新病院にともない機能拡充を図るなかで、構想のひとつに挙がっているのが内視鏡センターの設置だ。着々と体制整備を進めている尾野亘副院長(消化器内科)に、新築移転後のイメージなどを聞いた。
「3床で年1万件超の稼働を目指す」
「新築移転を機に、より良い消化器医療を提供したい」と尾野副院長
――現状の消化器領域の診療体制について。
尾野「消化器医療の消化管(食道・胃・大腸)領域については長らく非常勤医だけで回していましたが、2014年に医療法人徳洲会が指定管理者となり、今年4月に私を含む2人の医師が常勤医として岸和田徳洲会病院(大阪府)から赴任。すでに徳洲会グループ推奨の内視鏡関連機器を1台導入するなど、少しずつ消化器医療の充実を進めています。症例を増やし、新築移転の際に内視鏡センターの開設を見据えています」
――内視鏡センターの具体的な構想とは?
尾野「検査や治療を行うベッド・機器など設備とともに、1年以内にESD(内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術)や胆道系の治療など診療内容も充実させたいと考えています。僕は1床につき治療や検査を年間3,000件実施できると考えており、新築移転後は3床になるので、年間1万件超の稼働を目指しています。24時間処置を行える環境など、岸和田病院のレベルに近づけることが目標です。実現するには地域の信頼や医師をはじめとした人材確保が欠かせません」
――中長期的な展望は?
尾野「岸和田病院は内視鏡センター単独で、品質マネジメントシステムに関する国際規格ISO9001認証を取得しています。検証や対策をきちんと求められ質が担保しやすいので、当院の内視鏡センターでもISOなどの活用を視野に入れています。もうひとつは、離島・へき地への応援です。当院の強化は地域のためであるのはもちろん、徳洲会の理念“生命だけは平等だ”を離島・へき地で実践するためでもあります。離島・へき地への応援体制づくりはライフワークです」