徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)5月8日 月曜日 徳洲新聞 NO.1081 三面

TAVI
名古屋徳洲会総合病院
札幌東徳洲会病院の例
地域へ広報を活発化

患者さんの負担軽減のため治療技術はますます低侵襲化の流れに向かっている。従来の治療法では開胸手術に限られていた大動脈弁狭窄(きょうさく)症(AS)に対する経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)もそのひとつ。徳洲会グループでは現在5施設が実施施設に認定。名古屋徳洲会総合病院と札幌東徳洲会病院を例に認知度向上を図る活動を中心に、地域連携強化の取り組みなどを紹介する。

個別説明会や医療講演など開催

大橋総長も参加し地域の医療機関で出張説明会 大橋総長も参加し地域の医療機関で出張説明会

TAVIは高齢や呼吸機能の低下などにより、体力的に開胸手術が難しいハイリスクの重症ASが対象。ASは加齢などにともない大動脈弁が硬化し、正常に機能しなくなる疾患。重症ASで治療を行わない場合、1~2年で半数が亡くなると言われる。

従来、根治術は大きな侵襲がともなう大動脈弁置換術(AVR)という外科手術に限られていた。現在もAS治療の第一選択はAVRだが、開胸手術が難しい症例に対する治療法として近年注目されているのがTAVI。病変した大動脈弁を、カテーテルで人工弁に置き換える低侵襲な治療法だ。

名古屋病院は2015年7月にTAVI実施施設の認定を取得し、現在、年間30症例のペースで実施。より多くの患者さんにTAVIの恩恵を届けるには、適応の可能性がある患者さんを地域の医療機関から紹介してもらうための取り組みが欠かせない。同院は16年4月から地域の病院に出向きTAVIの出張説明会を重ねてきた。

同説明会は日頃、循環器内科や心臓血管外科の患者さんの紹介がある病院で開催。大橋壯樹総長が心臓血管外科の取り組み、田中昭光ハートセンター長がTAVIの適応や手技などを解説。これまでに1病院の単独開催を5回、複数病院が参加する説明会を3回の計8回開催し、参加者は計約100人に上った。5月中にも9回目を開く。

「当院は高度な心外手術の技術力を有していることから、仮にご紹介いただいた患者さんがTAVIの適応ではなかった場合でも、適切にAVRを施行できます。これが、紹介元の医療機関の安心感にもつながっています」(村松世規事務長)

16年2月からは地域の医療関係者を対象に年2回、春日井心臓血管セミナーを開催。第1回のテーマがTAVIだった。

同院は14年4月の新築移転以来、救急搬送の受け入れ件数が急増。13年の約2700件から16年には約4000件に大きく伸びた。「断らない救急」の実践に加え、15年の脳神経外科開設の効果が大きいが、これまで継続してきた救急隊員との連携強化の取り組みが下地にある。年3回の合同勉強会開催に加え、救急隊の実習の受け入れ(救急隊再教育研修、救急救命士養成実習、挿管実習など)、救急隊技術指導会への協力などだ。

「とくに挿管実習の受け入れ施設には限りがあることから、消防署からはとても感謝していただいています」(医療連携室の若山俊彦主任)

このほか心外手術を受けた患者さんを対象に「心臓血管外科術後の会」を組織。毎年10 月にバス旅行を実施し、ふだんは直接話をする機会がない医師との会話や患者さん同士の交流が喜ばれ好評だ。医療相談を行い術後のフォローアップにもつなげている。

月4回の医療講演で周知

周知を図るためTAVI がテーマの医療講演を月6 回以上開催 周知を図るためTAVI がテーマの医療講演を月6 回以上開催

札幌東病院は今年3月にTAVI実施施設に認定。それに先立つ1月から月6~10回TAVIをテーマとした院外医療講演を開催し、周知に努めている。講師は同院の山崎誠治副院長、山﨑和正・循環器内科医長、竹之内豪・同科医長が担当。4月6日に1例目を施行して以降、毎週木曜日をTAVI治療日にあてて症例を重ねている。

「医療講演を行うと、『今回、初めてTAVIを知りました』という方たちがほとんどですが、低侵襲であることなどから、ご興味もたれる方は多いですね」(同院の岸郁夫・事務部長)

同院は北海道内の複数の徳洲会グループ病院と連携を取り、TAVIの適応の可能性がある患者さんがいた場合、積極的に治療を引き受けていく方針だ。岸・事務部長は「すでに札幌市内に5カ所、市外に2カ所のTAVI実施施設がありますが、まだまだ地方や離島では十分な医療が受けられず困っている患者さんが相当います。当院の特徴でもある道内徳洲会グループ病院同士の連携・ネットワークをいかし、より広域の患者さんも随時受け入れていきたい」と意欲を見せる。

また、年間9000件超の救急搬送を受け入れるなど救急医療に尽力する同院は、救急隊との連携強化を重視。その一環で、札幌市内だけでなく周辺自治体からも救急隊員を招き、救急症例事後検討会を年2回、通算30回以上開催している。

さらに同院は4月1日付で、新たに北海道がん診療連携指定病院に指定。同院は放射線治療装置の導入やがんに関する医療講演の開催など、強化しているがん医療の取り組みについても、今まで以上に地域から広く認知してもらうことなどを目的に、昨年、指定の申請を行っていた。

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