徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2015年(平成27年)11月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1006 一面

心臓血管外科部会が始動
徳洲会グループ
研究と後進育成でタッグ

徳洲会グループ心臓血管外科部会(心外部会)が10月18日、神戸市で第1回部会を開催した。徳洲会は循環器診療を柱のひとつとしており、グループ全体の直近1年間(2014年11月~15年10月)の心臓外科手術は6015件、うち開胸手術は2805件に上る。同部会はこのビッグデータを利用した学術研究の基盤をつくるとともに、新専門医制度下での専攻医(専門医資格取得を目指す医師)育成でも共同歩調をとる考え。この日、全国の徳洲会病院から参集した17院32人の心臓外科医は、互いに切磋琢磨(せっさたくま)していくことを誓った。

17院32人の心臓外科医が参集

世界的名医デビッド教授(前列左から4人目)を囲んで、心外部会メンバーと鈴木理事長(その右) 世界的名医デビッド教授(前列左から4人目)を囲んで、心外部会メンバーと鈴木理事長(その右)

徳洲会心外部会は名古屋徳洲会総合病院の総長でもある大橋壯樹・一般社団法人徳洲会常務理事が部会長、岸和田徳洲会病院(大阪府)の院長でもある東上震一・一般社団法人徳洲会常務理事が担当理事を務める。大橋部会長が部会結成を提案、東上常務が賛同し、徳洲会幹部会の承認を得て実現した。

当日は一般社団法人徳洲会の鈴木隆夫理事長も駆け付け、祝辞を述べた。徳洲会初の心外手術を岸和田病院で実施した当時をふり返り、「徳洲会に心外手術は早すぎると言われた時期もありましたが、気が付けばグループ全体でかなりの数の手術を行うようになりました」。

そして、単一の病院としてだけではなくグループ全体の診療実績を学術研究に生かせるよう、治療に踏み込んだ部分まで電子カルテの記入方式を統一することを提案。「医療の発展に向け部会として効率的に統計処理できるデータベースをつくっていただければと思います」と期待を寄せた。

これを受け、東上常務は心外手術のエビデンス(科学的根拠)創出に貢献する意向を表明。また、後進の育成についても強い意欲を見せた。

懇親会で歓談する(右から)鈴木理事長、大橋部会長、東上常務、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の田中正史・心外科部長、樋上院長 懇親会で歓談する(右から)鈴木理事長、大橋部会長、東上常務、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の田中正史・心外科部長、樋上院長

17年度に始まる新専門医制度は、現段階で詳細な情報があるのは基本診療科のみで、心外科専門医のようなサブスペシャリティーについて決定していることは少ない。ただ、基幹施設でないと専攻医が募集できないことや、指導医1人当たりの専攻医数が規定されることは、ほぼ確実で、「次世代を担う人材をグループで育成するには、まず専攻医を募集できる環境を整備しなくてはなりません」と東上常務は強調。新制度では1病院のみでは専攻医を育成できず、病院群を形成する必要があるため、東上常務は同部会が連携関係の母体となるとの考えも示した。

続いて、世界的名医のトロント総合病院(カナダ)のタイロン・E・デビッド教授が「僧帽弁形成術の最新知見」と題し特別講演。

僧帽弁閉鎖不全(MR)に対する僧帽弁形成術(MVP)で、弁輪形成に必要なリング(弁の周囲を補強する医療用の輪)の病態別選択条件や、病態と手技別の長期予後、術後死の原因などについてエビデンスとなる論文を提示しつつ解説した。術後死の予測因子としてはNYHA分類(心不全の重症度分類)、LV(左心室)駆出率、年齢などを列挙。MVPは自己の弁を残すことができる利点があるが、MR再発率が高く、中等度以上の再発性MRの予測因子として、MVP術後であること以外に孤立性前尖(ぜんせん)逸脱、リングなしの修復などを挙げて警告した。ただ、リングなど道具より重要なのは術者の力量だとデビッド教授は訴え、「ベストを尽くしてください」と参加者に声をかけた。

懇親会では神戸徳洲会病院(兵庫県)の曽根田純一院長が乾杯の音頭のなかで10年ほど前に一度、心外部会の準備会が開催されたことを明かし、今回10年越しに部会創設となったことを祝した。

新たに院長に就任した葉山ハートセンター(神奈川県)の樋上哲哉院長や、野崎徳洲会病院(大阪府)の米田正始スーパーバイザー(顧問)をはじめ各院医師がそれぞれ自己紹介し、親交を深めた。最後に吹田徳洲会病院(大阪府)の金香充範院長が「徳洲会心外部会の発展を願いまして」と一本締め。

大橋部会長は、「徳洲会の歴史が変わる一歩になったと思います。ぜひ継続し、他院の手術も気軽に見学できる敷居の低い関係を目指します。手術数だけでなく質も向上させ、日本の心外をリードできるようになりたい」と抱負を語った。

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