徳洲会グループ
コロナ第5波経験生かし第6波へ備え
8月下旬、全国で一日の新規感染者数が2万5000人超を記録するなど、猛威を振るった新型コロナウイルス感染症第5波。徳洲会病院がある鹿児島県の離島でも感染者数が増え、一部では島内クラスター(感染者集団)が発生。とくに屋久島、喜界島、与論島、徳之島では徳洲会病院が島唯一の病院として懸命に対応した。現在、国内では感染者が少ない状況が続いているが、新変異株「オミクロン」の出現や海外では一部の国で感染者数が高止まり傾向にあるなど、予断を許さない。離島の病院が今夏経験したことを生かし、第6波に備えることが肝要だ(4面に関連記事)。
スタッフが自発的に活動
屋久島も8月に入り島内クラスターが発生。11床の専用病床を確保し、軽症患者さんに対応した。泊春代・看護部長は「山本晃司院長の“島に病院は当院しかないから外来も入院も通常どおり”との方針で、一切制限しませんでした」と強調する。
同院看護部感染対策委員長の鍵本喜美恵・看護師長は「職員から感染者を出さなかったことで、乗りきれました。陽性患者さんを受け入れやすいように、スタッフが自発的に活動するなど、皆が同じ気持ちであることがわかり、個人的には感動しました」(鍵本・看護師長)。
徳之島は8月中旬に島内クラスターが起こり、それがきっかけで院内クラスターも発生。中等症以上は島外搬送の予定だったが、天候不良で搬送できず、一時期、中等症Ⅱの方まで受け入れた。
「天候が回復して搬送しましたが、コロナ患者さんの島外搬送そのものが初めて。とても緊張しました。その間も救急をはじめ出産、透析、緊急手術、緊急入院、一般診療などは制限しませんでした」と大倉さとみ看護部長は説明する。
徳洲会内外の支援に感謝
限られた医療環境ながらも、各病院が島内クラスターを乗りきれたのは現場スタッフの努力はもちろん、徳洲会グループ内外のサポートも大きい。徳洲会グループでは島外の病院の医師や看護師、本部機能を有する一般社団法人徳洲会の職員が現地入りし、サポートした。喜界病院の浦元院長は「与論病院の高杉香志也院長が駆け付けてくださり、私たちが何をすべきかがわかっていきました」と謝意を表す。
高杉院長は「当院も経験し、大変さは身に染みてわかっています。グループのバックアップがあるとはいえ、当然すぐにとはいきません。サポートが入るまでの間、何かできればと思いました」と説明。このほか、本土の病院と電子カルテを共有し、診断支援などを受けたケースもあった。
また、与論病院の上恵理子・看護部長や喜界病院の辻﨑理奈・看護主任もグループのサポートに「院内の体制づくり、情報共有・伝達の方法、PPE(個人防護服)の着脱など、本当に助かりました。いざとなると対応できないことがよくわかりました」と謝意を示す。グループ外では保健所や行政、鹿児島大学病院、鹿児島県庁など多様な関係者が支援に入った。
今回の経験を生かし、各病院は第6波への備えを固める方針だ。「感染対策のハンドブック作成・配布」(喜界病院の石原都美・看護副主任)以外にも、手洗いのタイミングの唱和、感染情報の共有、感染管理認定看護師の育成などが上がっている。徳之島病院の感染対策担当である大山若代・看護師長は「“感染対策は日常業務”と再認識しました。基本の徹底に努めたいです」。
→徳洲新聞1317号掲載

