鹿児島徳洲会病院

「救急・災害医療」「リハビリ充実」「離島・へき地の基幹病院」

鹿児島徳洲会病院(310床)は12月1日、直線距離で南方向へ約8㎞離れた谷山地域に新築移転し、翌2日に診療を開始する。旧病院は築34年が経過しており、建物の老朽化や診療機能の拡充を理由に建て替えた。「救急・災害医療」、「リハビリテーションの充実」、「離島・へき地医療の基幹病院」の三本柱を中心とした医療機能、療養環境の向上に加え、将来にわたり地域に愛される病院として、鹿児島(薩摩)らしさが感じられる施設づくりを目指した。

薩摩らしさ感じる施設

新病院は地上7階建て、敷地面積は約1万8818㎡、延床面積は約2万8415㎡で、敷地面積は旧病院の約4倍の広さになる。桜島の火山灰を混ぜた趣のあるタイル、薩摩切子模様をモチーフにした日射抑制パネルなど「鹿児島らしさ」を取り入れたデザインを採用。病棟の床を木目調にしたり、エントランスに畳をイメージしたベンチを置いたりと、和風の居心地いい空間も意識した。

また、短期的な目標である「救急・災害医療」、現状のさらなる改善を目指す「リハビリの充実」、中長期的な目標となる「離島・へき地医療の基幹病院」を三本柱に据えると同時に、動線に配慮した「シンプル」な設計で、かつ将来を見据えて「フレキシブル」に対応できる施設を目指した。

救急・災害医療では、「救急受け入れ件数は、現状の2~3倍になる見込み」と池田佳広院長は展望。旧病院は中央地域に立地し、2㎞圏内に多くの大規模病院があったが、新築移転先の谷山地域は、小規模病院や開業医が多いためだ。「救急受け入れ強化のため、医師はもちろん、NP(診療看護師)や救急救命士の採用にも力を入れます。また、地域の介護施設への訪問診療や、当院の救急車を活用した救急搬送も積極的に実施する計画です」とアピール。

また、MCP(医療継続計画)対策として、建設発生残土を活用し1階レベルを周辺地盤から1・5mほどかさ上げ、出入り口に防水板も設けることで、約2・5mの水害まで対応できるようにした。

さらに、72時間の非常用発電機など設備機器は水害リスクのない最上階に配置し、火山灰のメンテナンスを考慮した給気方法を採用するなど、地域性をふまえた災害対策を取った。

リハビリでは、すでに最も高い病棟基準の回復期リハビリ病棟入院料1を取得済み。新病院ではさらなる環境改善を図り、地域のなかで後方支援施設としての役割を果たす考えだ。新たな取り組みとして、屋外リハビリスペースに市電の線路を設置。これは鹿児島市内の道路に縦横無尽に走っている市電の線路につまずかないようにする歩行訓練を行うためのものだ。

また、鹿児島県の離島には多くのグループ病院があるが、現状は全国のグループ病院がマンパワーの確保などをサポートしている。池田院長は「全国から鹿児島空港を経由して離島に行っていますので、効率を考えれば当院が基幹病院となり、スタッフの応援をできるようになるのが望ましいと考えます」と明かす。

 

→徳洲新聞1313号掲載

 

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