徳洲会グループ
スケールメリット生かし迅速対応 徳洲会グループ
徳洲会グループは2020年1月27日に「新型コロナウイルス感染症の対応について」と題する通知の第1報を発出して以降、グループを挙げて感染対策や感染者の受け入れに最善を尽くしている。ダイヤモンド・プリンセス号の陽性患者さん受け入れ、プレハブの専用病棟や発熱外来の開設、クラスター(感染者集団)発生への迅速な対応など徳洲会グループの約1年半にわたる新型コロナ対応を振り返る。
感染管理部会が先手の指針繰り出す
世界で猛威を振るう新型コロナウイルス。国内では昨年1月中旬に最初の感染者が出現。徳洲会感染管理部会は同27日にコロナに関する第1報をグループ職員に向け通知、「早い段階から危機感をもって対応してきました」と同部会長の佐藤守彦・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)感染対策室部長は胸を張る。
ダイヤモンド・プリンセス号のクラスター(感染者集団)では、2月17日に厚生労働省から徳洲会グループに陽性患者さんの受け入れ要請があった。佐藤部会長は「受け入れを拒否する病院も多くあったと聞きます。この時はまだウイルスの全容が解明されておらず、最初に陽性患者さんと対面した時には、正直、恐怖感がありました」と述懐する。
陽性患者さんは湘南鎌倉病院、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)、葉山ハートセンター(同)の3病院で受け入れた。このうち葉山ハートセンターでは最多となる10人を受け入れ。一般社団法人徳洲会(社徳)が感染対策として建物の一部を改修し、感染防護具など必要物品を搬入。また、複数の徳洲会病院から看護師が応援に入るなどグループを挙げて対応。3月14日までに全員が退院、院内感染もなかった。
コロナが蔓延し始めた当時、流行地域に差はあったものの、どこで感染が起こるか予測できない状況だった。そこで感染症の専門家がいない小規模病院でも有事に備えられるように、感染管理部会は「感染対応マニュアル」を作成。佐藤部会長は「いろいろな情報が出回っている状況でしたので、グループとしての指針が必要でした」と強調する。
さらに、4月頃から社徳主導の下、各徳洲会病院はPCR検査機器などコロナ検査機器を順次導入。当時は保健所が窓口になる行政検査を受けるには、37・5度以上の発熱が4日以上続き、かつ強いだるさや息苦しさがあるなど条件が厳しかった。しかし、無症状の陽性患者さんが一般病棟に紛れ込んでいる可能性などもあり、病院の判断でコロナ検査を実施し、早めのスクリーニング(選別)を行う必要性が高まっていた。現在は離島・へき地病院を含む多くの徳洲会病院で、自前でコロナ検査ができる。
各徳洲会病院で、プレハブの専用病棟や発熱外来を開設し始めたのも、この頃からだ。佐藤部会長は「当時はまだ医療従事者への風評被害が問題になっていましたが、病院の敷地内にプレハブを建てることは、地域の方々に対し使命感をもってコロナ患者さんを受け入れる意思表示でもありました」と振り返る。
湘南鎌倉病院は5月18日から隣地で神奈川県の臨時医療施設(180床)の運営を開始、軽症・中等症の患者さんを受け入れている。第3波のピーク時には100人超が入院。本院の70床を閉じ、そのぶんのスタッフを臨時医療施設に回し乗りきった時期もあった。
→徳洲新聞1298号掲載

