徳洲会グループ

徳洲会グループ「第5波」との闘い

7月後半から全国的に新型コロナウイルスの感染者数が急増している。8月5日には1日の新規感染者数が1万5000人を超え過去最多を更新した。緊急事態宣言が出されていた東京都と沖縄県は宣言を延長し、新たに埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府に発令。また、まん延防止等重点措置の対象地域も13道府県に拡大している(いずれも期限は8月31日まで)。高齢者の方々へのワクチン接種が進んできたことなどにより、第5波では若い世代の感染が多いのが特徴だ。今号では全国にある徳洲会グループ病院の対応状況をリポートする。

緊急リポート

8月5日に1日の新規感染者数が5000人を超え過去最多を更新した東京都。都内にある東京西徳洲会病院と武蔵野徳洲会病院は8月に入りコロナ専用病床(いずれも軽症・中等症)の増床を図ったが、すぐに満床になる状況だ。両院とも発熱外来の患者数やPCR検査数も相対的に増加、中年層や若年層の患者さんが多い。

東京西病院は陽性者用病床を7月15日に7床から12床、8月3日にさらに16床に増床した。陽性者用病床を確保するため減らした疑似症用病床(4床)も逼迫。国のガイドラインを守ったうえで、院内のデータ分析結果から疑似症のルールを設け、回転率の向上に努めている。武蔵野病院も8月に入りコロナ専用病床を4床から8床に倍増。斎藤英子・看護部長は「要請に対応できるように努める覚悟です」。

大阪府も深刻な状況だ。若年層の感染者が多く、軽症・中等症の入院が増えている。野崎徳洲会病院は重症を含め最大43床を確保できる体制を敷いているが、逼迫した際に備え、さらに4床増やすことも視野に入れている。また、予定している「徳洲会重症コロナセンター(仮称)」(20床)の開設時期を10月1日から9月半ばに前倒しすることも検討中だ。

八尾徳洲会総合病院でも若年層を中心に陽性率が上昇。8月2日の外来の検査結果では83人中32人が陽性だった。小原真栄美・看護部長は「若い方の場合、無症状や軽症も多い」としながらも「その後、自宅で悪化し入院、早期に気管挿管になるケースが少なくありません。また、最近は小児の感染例も増えています」と警鐘を鳴らす。

吹田徳洲会病院でも直近1カ月のコロナ入院患者さんで70代以上は26人中3人のみ。崎山昌代・看護部長は「無症状や軽症が多いだけに重篤化や院内感染につながらないよう、以前にも増して注意を払っています」と気を引き締める。

陽性患者さんを受け入れていない病院も奮闘。東大阪徳洲会病院は発熱外来でPCR検査を積極的に実施したり、コロナから回復し退院基準を満たした患者さんを受け入れるなど、後方支援の役割を果たしたりしている。全南病院も1台あるPCR検査装置を活用。ふだんは行わない外来患者さんにも、医師の判断の下で検査を行い、最近は実施する患者さんが増えているという。

埼玉県も感染者が急増。プレハブのコロナ専用病棟(80床)を運用し、中等症・重症を受け入れている羽生総合病院は、8月3日時点でコロナ陽性42人が入院、1カ月前のほぼ2倍だ。うち7人が人工呼吸器、1人がECMO(体外式膜型人工肺)を装着。重症医療機関は限られているため、文字どおり“最後の砦(とりで)”として尽力している。

青木三栄子・看護部長は「容態が悪化した自宅・ホテル療養者の入院先がなかなか決まらないことがあります。そのため当院は県北地域に位置しますが、県南地域など遠方の患者さんの受け入れ要請もたびたびあります」と打ち明ける。夜間で職員配置が手薄な時間帯の入院も多く、現場の負担増大の一因になっているが、ローテーションを組むなどして乗りきっている。皆野病院は人工呼吸器による治療まで対応、軽症から重症まで受け入れ、医療資源が少ない地域にあって貴重な役割を果たしている。

昨年5月にプレハブのコロナ専用病棟を開設した千葉西総合病院は、軽症から重症まで対応。現在40床すべてHCU(高度治療室)として運用し、8月3日時点で重症を含む30人が入院。

「人工呼吸器による管理までは院内で対応しています。今後、重症者が増えることが予測されるため、院内でECMO治療に対応できるよう準備しています」(小林裕子・看護部長)。また同院では発熱外来の受診者が急増、7月中旬以降、PCR検査の陽性率は3割ほどと高い。

千葉徳洲会病院は昨年4月以降、感染フェーズに応じてコロナ病床を増減しながら対応。現在20床を確保し8月3日時点で14人が入院。軽症・中等症を受け入れている。佐々木悦子・看護部長は「以前と比べ70代以上のご高齢の患者さんが減り、20~60代の患者さんが増えています。軽快して自宅退院する方が多い一方、若くても基礎疾患があると急激に状態が悪化するケースがあり、気が抜けません」と襟を正す。

鎌ケ谷総合病院や成田富里徳洲会病院も陽性患者さんの入院受け入れに注力。四街道徳洲会病院は院内で発生した疑似症がPCR検査で陽性だった場合、転院先の調整がつくまで一時的な入院に対応。館山病院は発熱外来などで地域に貢献している。

 

→徳洲新聞1299号掲載