湘南藤沢徳洲会病院
初動対応や指揮系統確認

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)は強い地震の発生を想定した災害机上訓練を実施した。指揮指令系統の確認や災害初動対応の課題の抽出、災害マニュアルおよびBCP(事業継続計画)の改訂が目的。災害対応の机上訓練を行うのは初めて。
大規模災害の発生時には「災害時指揮指令系統図」に基づき、災害対策本部をトップとする体制に移行。「安全管理統括」、「職員統括」、「情報統括」、「院外対応統括」、「診療統括・関係機関調整担当」、「診療支援統括」、「家族支援統括」、「設備支援統括」をトップとするさまざまな役割ごとのグループに、各部署の職員が分かれて行動する。訓練には各グループの責任者や担当者ら約80人が参加。新型コロナ感染症流行中のため、手指衛生、感染防護具の装着を徹底し、感染防止に努めながら昨年12月26日に実施した。
総合の佐藤哲也・看護師長は開始にあたって「限られたスタッフで、どうすれば病院機能を継続できるかを考えながら取り組んでください。うまくいかないことがあれば、それが今後の課題になります」と呼びかけた。
各グループに分かれ、災害対応に詳しいスタッフがファシリテーター(討議の促進者)となり、初動対応や想定される事態、その対応などを話し合い、災害対策本部への報告内容をまとめた。
机上訓練を企画した猪狩佑介・総務課職員は前職が消防隊員。所属していた消防隊では定期的に机上訓練を行い、東日本大震災の発災時に混乱せずに動けたという。「今後も定期的に、このような訓練の機会を設けていきたい」と意欲的だ。
髙力俊策院長は「事務方を含め、従来の訓練以上に幅広くスタッフが参加したことで、さまざまな気付きを得ることができました。今後も訓練を繰り返し災害への対応力を高めていきたい」と抱負を語っている。
→徳洲新聞1275号掲載