瀬戸内徳洲会病院

ピクトグラム用い安全確保 ベッドサイドで導入 個人情報にも配慮

鹿児島県の奄美大島にある瀬戸内徳洲会病院は、入院患者さんの状態を示すツールとしてピクトグラムを活用、ベッドサイドに掲示するスタイルがスタッフに「わかりやすい」と好評だ。

ピクトグラムは視覚記号のひとつで、伝えたい情報をひと目でわかるように単純化したイラスト。よく見かける非常口やトイレの人型マークなどが該当する。

瀬戸内病院は主に①安静度(医師の指示の下、状態に合わせた安静の度合い)、②移動、③移乗、④排泄(はいせつ)、⑤安全、⑥内服薬管理――の6項目をピクトグラムで表示。具体的に①は絶対安静、床上安静、病室内フリーなど、②はストレッチャー、車いす、フリーなど、③は全介助、一部介助、フリーなど、④はポータブルトイレ、おむつ、フリーなど、⑤は転倒転落の防止策、⑥は病棟管理、カレンダー式管理など。

担当の看護師は、それぞれ患者さんの状態に応じたものを選んで掲示し、特記事項があれば文字で記載する。

きっかけは、病棟内でのインシデント(ヒヤリ・ハット事例)報告。安静度や移動方法が瞬時にわからず、担当以外の看護師やコメディカルがベッドサイドでうまく対応できなかったり、遅れたりした例があり、看護部医療安全担当の榮理沙・看護主任は「必要な患者さんの情報を誰もが瞬時に理解できる方法としてピクトグラムの活用を提案しました」と振り返る。

職員が業務の合間を縫って作成

院内の医療安全委員会で導入を決定。個人情報保護の観点から、表示する患者さんの情報を絞り込み、ピクトグラムのデザインや表示位置、変更する担当者とタイミングなどを決め、2019年7月に開始した。「患者さんはもちろん、ご家族や面会者にも不快な思いを与えないデザインなど、本当にさまざまな課題をクリアしなければなりませんでした。そのかたわら、職員が業務の合間を縫ってピクトグラムを作成。最後に院内への周知と、決定から実施まで1年かかりました」(榮主任)。

試験的に8床からスタートしたところ、好評で、同年9月には18床に拡大。現在、全病床(60床)での実施を目指している。「当院は徳洲会グループ病院の看護師の応援が欠かせず、数カ月単位で看護スタッフが代わります。病棟内での周知事項の維持・継続が難しい側面があり、ピクトグラムは有効です」と榮主任。「スタッフをはじめまわりに集う方々が配慮しやすい環境を整え、皆で患者さんの安全を確立したい」と意気込んでいる。

 

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