名古屋徳洲会総合病院
ナラティブを共有
名古屋徳洲会総合病院は3月4日、新人看護師によるナラティブ発表会と新人研修修了式を開催した。ナラティブ(物語)発表会では2019年に入職した新人看護師36人が自分の看護にまつわるストーリー(体験)を共有。その後に行った修了式では亀谷良介院長が一人ひとりに修了証を手渡した。
名古屋病院では1年間の看護師新人教育の締めくくりとしてナラティブ発表会を行う。乕田美幸・看護部長は「これまで頑張ってきた1年間を共に喜び、達成感を味わってほしいと考えています。会では、より具体的なエピソードを披露してもらうので、同期36人分の取り組みや思いを共有できます」と意図を明かす。
また、新人研修の最初には「こんな看護師になりたい」という宣言を行っているため、発表会では、その時に考えた目標が、看護師として1年間過ごすなかで達成できたかどうかも振り返る。同時に、同期のナラティブを聞くことで、自分自身を見つめ直す絶好の機会にもなる。
発表はひとり2分間、事前にまとめた文章を読み上げる形で行った。
比嘉瑠奈看護師は疼痛(とうつう)コントロールしている患者さんから「こんなに苦しいのに薬を渡すだけなのか」と言われ、その真意がわからなかったことを振り返った。患者さんに一番必要なのは、疼痛コントロールだと思い込んでいたことを反省。長い闘病生活を送る患者さんは、精神的な苦痛も抱えていたことに気付いた。
調茉苗看護師は見舞いに来る家族とのやり取りを紹介し、コミュニケーションの重要性を再認識。家族の不安な思いを聞いている途中、残している業務を気にして会話を切り上げてしまったことを後悔し、自分中心ではなく、相手を思いやったコミュニケーションの大切さを考えた。
村上奈津季看護師は、いつも看護師の前では「きつい」と言わない患者さんとのエピソードを披露。患者さんはつねに自分の気持ちを話してくれるとは限らないため、患者さんの見えない気持ちまで考える必要があると強調した。
松井優里看護師は手術室に勤務するなかで、短い時間で患者さんとかかわる大切さを学んだ。手術を前にベッドで横になっている患者さんの手を握ると「手、温かいね」と笑顔で言われ、その行為だけでも患者さんのためになっていたことを認識。患者さんの言動や表情を観察したうえで、その人に合ったかかわり方をしていこうと誓った。
小林陽奈看護師はナースコールでおむつ交換を希望した患者さんを、別の業務の途中だったために待たせてしまったエピソードを紹介。他のスタッフに依頼する方法などあったと反省し、患者さんの気持ちまで考えて寄り添うことの大切さを訴えた。他にも36人が36とおりのナラティブを披露した。
乕田・看護部長は「この時の気持ち、やる気を忘れずに、キャリアを積んでいけたら良いと思います。当院は若い看護師が増えてきました。ぜひ横のつながりを大切にし、共に切磋琢磨(せっさたくま)してほしいです」とエールを送る。
→徳洲新聞1235号掲載



