介護系施設
「緩和ケア訪看ST札幌」開設
「緩和ケア訪問看護ステーション(訪看ST)札幌」がオープンした。従前は“みなし”としてホームケアクリニック札幌のサービスのひとつだったが、独立したことで、在宅患者さんへのサポートが、より早期から期待される。開設を記念し札幌市内で講演会も行った。

緩和ケア訪看ST札幌は、ホームケアクリニック札幌が“みなし指定”で行っていた訪問看護を独立する形でオープン。現在、登録患者数は札幌市内4区で計36人。7人の看護師と理学療法士1人、事務員1人が在籍し、開設2カ月にして300件を訪問している。訪看STでは珍しく、ほとんどが在宅で生活している末期がん患者さんだ。「訪問先では身体的な痛みをはじめとした全人的苦痛に対する緩和ケアに務めています。ただし在宅は生活の場ですから、病気以外で困っていることにも目を向けサポートします」と山崎美惠所長(緩和ケア認定看護師)。一事業所として独立することは念願だったという。
「人生の最期をどう過ごすか自己決定できない患者さんやご家族も少なくなく、もっと早くから看護師が“伴走”する必要性を感じていました。また、みなしでは介入時期が終末期に偏ることが多く、どの病期のがん患者さんのACP(意思決定支援)にも関わる必要性を感じたことも独立した理由です」

地域の訪看STと連携しやすくなることも期待。山崎所長は「独立して札幌市と北海道の訪看ST連絡協議会に加入しました。市内には200カ所以上の訪看STがあり、その多くが同会に名を連ねています。地域に在宅看和ケアを広めるには連携が欠かせず、それは結果的に患者さんのメリットにつながると思っています」と明かす。
今後、山崎所長は地域包括支援センターや居宅介護支援事業所との連携、将来的にサテライトの開設などを視野に入れる。
→徳洲新聞号1215掲載