葉山ハートセンター
葉山ハートセンター(神奈川県)は8月2日、地域の医療・介護関係者を対象に「胃瘻(いろう)についてあらためて考えよう」と題する特別講演会を開催した。市立吹田市民病院(大阪府)から医師、看護師、管理栄養士の3人を講師に招いた。約40人の参加者が熱心に聴講した。
講師は長生幸司・消化器内科部長兼内視鏡センター長、彌栄香子主査(認知症看護認定看護師)、南野幸生・栄養部参事(管理栄養士)。
冒頭、葉山ハートセンターの田中江里院長が「胃瘻など経管栄養については、今の私たちの価値観だけにとらわれるのではなく、さまざまな背景を知る必要があります。そうしたなか、市立吹田市民病院の多職種チームの活動を新聞記事で知り、お手紙を出したところ講演依頼を快諾していただきました。胃瘻を考える際の参考となる勉強会になることを期待しています」と開会挨拶。
はじめに南野参事が登壇し、患者さんにとってベストな栄養の取り方や胃瘻造設の適応の有無などカンファレンス(検討会議)を行うJIP(必要とされるPEG[胃瘻]について考える多職種合同会議)の取り組みを紹介した。次に彌栄主査は80代女性の症例に即し、JIPでの検討内容や、患者さんの家族への説明内容、家族側の考え方などを説明。
最後に長生部長が胃瘻の歴史や終末期に対する海外の考え方、日本の終末期医療が抱える課題などを解説。そのうえで「長期間の経腸栄養を必要とする患者さんに、胃瘻は最良の手段」、「胃瘻の是非を議論するより、栄養補給のための投与方法を議論するべき」、「医師だけで患者さん一人ひとりのベストの治療を考えるのは難しい時代になってきたため、多職種のチームによる取り組みが必要」と指摘した。終了後には活発な質疑応答も行った。
参加者は「特別養護老人ホームに勤めています。入所者さんが口から食べられなくなった時、家族を交えた話し合いを行うのですが、その際の参考になることをたくさん聞けました」と充実した表情を浮かべていた。
→徳洲新聞1204号掲載



