徳洲会グループ
9月8日夜から翌朝にかけて首都圏を直撃した台風15号の影響で、関東地方では広域にわたり一部浸水被害や家屋など破損被害が起こった。とくに千葉県では被害が甚大で、約64万軒が停電、断水も相次いで発生。倒木や約2000本の電柱が折れた影響で、電力復旧に時間を要し、多くの医療機関が機能を停止した。こうした被害に対し、徳洲会グループやNPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)は積極的に支援活動を実施した。
徳洲会グループ病院・施設では、停電被害は一時的なものだった。そのなかで四街道徳洲会病院(千葉県)は、9日午後2時前まで停電被害にあった。復旧後はすぐに地域の方々に向け、携帯電話の充電場所を設置し、シャワーを無料で提供。また、周辺の主要医療機関の機能停止のため、医療機関・介護施設から21人の患者搬送を受け入れ、停電復旧から1・5日間で合計44人の患者さんの入院を受け入れた。
この時の状況について、TMAT隊員でもある同院の栁澤修平・看護師長は「すぐに停電から復旧するだろうと考えていたら、午後になっても復旧しなかったため、まずは転院搬送が必要な患者さんのリスト化を開始しました。午後2時前に復旧したため事なきを得ましたが、半日の停電とは言え療養環境の悪化は思いのほか深刻でした」と振り返る。
10日昼頃、千葉県富里市にある中沢病院から一般社団法人徳洲会(社徳)とTMATに対し、搬送支援の要請が入った。同院は療養型で約280人が入院、停電の影響で病院機能の維持が困難となり、行政などに支援要請したものの、支援の見とおしが立っていない状況だった。要請に対し社徳とTMATは、協議の結果、支援を開始することを決定した。
同日夕方、野口幸洋TMAT事務局員(社徳医療安全・質管理部係長)が同院を訪問。長時間にわたり、空調のない状態では患者さんが耐えられないこと、停電の長期化の可能性があること、停電が解消されても施設の老朽化により、すぐに復旧する保証がないことなどから、入院患者さんを近隣施設に避難させる方針を確認した。
午後7時頃、千葉県内にある千葉徳洲会病院、鎌ケ谷総合病院、成田富里徳洲会病院、四街道病院とAMAT(全日本病院医療支援班)が協力し、これら病院を含む近隣の医療機関に中沢病院から41人の転院搬送を実施。成田富里病院では11人、鎌ケ谷病院で5人、千葉病院で3人を受け入れた。
翌11日、前日の徳洲会4病院に加え千葉西総合病院、館山病院(千葉県)、武蔵野徳洲会病院(東京都)、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、湘南藤沢徳洲会病院(同)の9病院が協力し、近隣の医療機関に69人を転院搬送。このうち成田富里病院では行政の許可を得て空床フロアを開放し、50人の患者さんを受け入れた。
12日に東京電力の発電車両が中沢病院に到着、療養に十分な電力供給が可能となったため転院搬送を中止。翌13日には電気が完全復旧し、17日に成田富里病院に転院搬送した患者さん50人を中沢病院に順次戻した。TMATは14日に南房総エリアの支援を開始した。電気復旧に2週間を要する(東電発表)状況のなか、同エリアにある館山病院にはライフライン被害はなかったものの、多くの職員が被災していた。TMATは先遣隊として栁澤・看護師長と野口・事務局員の2人を派遣し、状況を確認した。
→徳洲新聞1204号掲載

