徳之島徳洲会病院

住み慣れた家で最期まで過ごしたい――。超高齢社会で人生の最期を迎える“場所”に関心が高まるなか、自宅を希望する人は多い。「とくに離島で暮らす方々は、その思いが強いと思います」。こう語るのは徳之島徳洲会病院(鹿児島県)の水田博之副院長。患者さんの希望をかなえるために、同院は深夜でも在宅での看取りに対応するなど、在宅医療に注力している。水田副院長の訪問診療に同行した。

水田・徳之島徳洲会病院副院長に密着

徳之島病院は20年ほど前から在宅医療を開始し、現在、訪問診療の登録患者さんは約200人。基本的に医師、訪問看護師、車の運転手の3人で回り、1日に5~10人の患者さんに対応している。終末期や病状が不安定な患者さん、家族の不安を軽減するために、24時間対応可能な体制も構築。

午後5時~翌日の午前8時半まで最大ふたりの訪問看護師が待機し、看取りにも対応。ファーストコールを受けた看護師が患者さん宅に直行し、もうひとりの看護師は病院で医師と合流し患者さん宅に向かう。

取材当日、水田副院長は午後から訪問診療を担当。この日は島内をほぼ1周(約90㎞)するコースで3人の患者さん宅を訪れた。ひとり目は91歳の女性、ふたり目は101歳の女性、3人目は94歳の男性。水田副院長は「在宅患者さんの平均年齢は90代。最高齢は109歳です」と目を細める。どの患者さんにも「体の具合いかがですか」、「これから〇〇しますね」など丁寧に言葉をかけながら、血圧などバイタルサインを確認した後、聴診や触診、問診で状態を把握。検査数値や家族に服薬の状況なども確認し、15分ほどで各戸を後にした。

印象的だったのは、患者さんや家族のささいな話や、ちょっとした家の中の光景に関心を寄せる水田副院長の姿。診療には関係ない話でも、きちんと受け答えをし、絵画や書道作品、写真などが飾られていれば立ち止まって眺め、患者さんや家族にその感想など話をする。

「やはり病気をみるのではなく、人をみる。患者さんの趣味や人生、ご家族、住まいなどを知らないと全人的医療はできませんし、最終的に患者さんの死生観を知ることもできません。ちょっとしたことでも関心をもつよう心がけています」(水田副院長)

同院は年間約15人の患者さんを在宅で看取っている。水田副院長は「療養する場所、最期を迎える場所に自宅を希望されている方は島にまだまだ多いはず。今後、民生委員やケアマネジャー、役場などとも協力して自宅を選べるようにしたい」と意欲的だ。

→徳洲新聞1177号掲載

 

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