神戸徳洲会病院

神戸徳洲会病院は1月17日、神戸市主催の「1・17神戸市シェイクアウト訓練」に参加し、プラスワン訓練として院内で災害訓練を実施した。中村美津・看護部長の指導の下、秋田健太郎EMT科主任(救急救命士)と菊池祐貴・看護師が中心となり、30人超の職員が参加。今回は発災直後の初動対応に重点を置き、トレーニングを行った。
訓練は震度5弱の地震を想定。各自が身の安全を確保した後、部署ごとに集まり所属長が出勤状況や、けが人を確認。その後、各部門の役割などを記したアクションカードに基づき、患者さんや機械、建物の被害状況など確認に努めた。
発災から15分後、食堂に災害対策本部を設置。中村・看護部長や青木一郎事務長をはじめ各所属長らが集合し、各部署からの報告をまとめた。同時にEMIS(広域災害救急医療情報システム)の入力訓練も行った。
報告のなかで、5階病棟の看護師1人が地震で倒れたモニターに右下腿(かたい)をはさまれ負傷していることと、6階に入院している長期臥床(がしょう)状態の患者さん1人が床頭台上部に置いていたラジオの落下で前額部を負傷していることが判明。ともに処置が可能な2階まで搬送することとなり、看護師役と患者さん役をエアーストレッチャーで搬送した。
訓練は約1時間で終了。秋田主任は「前回は発災直後の対応で役割が不明だったり、情報が整理できなかったりしたので、その反省をふまえ企画しました。前回より組織的に活動できたと思います」と総括。中村・看護部長は「職員の9割が阪神・淡路大震災を知らない」とし、「今後も訓練をブラッシュアップして災害に備えたいです」。
阪神・淡路大震災は国内外で災害医療活動を行うNPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)が誕生する契機となった。最近ではロヒンギャ難民の医療支援にあたっている。
→徳洲新聞1170号掲載