関東地方

徳洲会グループ介護部は南関東ブロックで介護管理者研修を行った。介護部で管理者研修を実施するのは初めて。同ブロックに属する特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)を中心に主任、副主任クラスの職員計35人が参加し、あらためて徳洲会グループの理念や運営方針、マネジメントを実践するために必要なことを学んだ。

介護部では従来、フォローアップ研修やフロアのリーダーを務める研修など、職員のベースアップを図る研修は実施していたが、上級にあたる「介護士長」が不在のブロックがあり、施設の介護全般をマネジメントするコア職員の育成が課題となっていた。

南関東ブロックも介護士長が不在であることから、同ブロックの研修を担当している特養かまくら愛の郷(神奈川県)の阿部伸子施設長、老健かまくら(同)の三島真智子・総看護師長、特養逗子杜の郷(同)の田邉笑美子施設長、老健静岡徳洲苑の滝井芳美・総看護師長が中心となり協議。施設の質の向上や経営安定化に対する意識をもち、自立的に推進できる人材育成を目的に、新たに介護管理に特化した研修を企画した。

研修は特養かまくら愛の郷で2日にわたり実施。同4施設のほか、老健リハビリケア湘南かまくら(神奈川県)、老健ゆめが丘(同)、老健茅ヶ崎浜之郷(同)、老健リハビリケア湘南厚木(同)、特養つるみね(同)、特養かつらはら(同)、老健あじさい(静岡県)、北関東ブロックの老健あいの郷(埼玉県)が参加した。

初日は主に座学形式の講義を実施。一般社団法人徳洲会大阪本部の吉﨑和子・介護事業担当部長による挨拶の後、特養かまくら愛の郷の櫻井健一事務長が、あらためて徳洲会の理念や運営方針を説明するとともに、法令順守や経営的視点をもつ重要性を強調した。この後、阿部施設長が「介護管理」と題し、介護サービスの提供に関するマネジメントで必要な視点やポイントを解説した。

最後は「問題解決の思考法」と題し、YMCAおよび神奈川県ファーストステップ研修の講師を務める中本宣弘講師が講義。問題を解決するための考え方や順序を示した。

TQMの視点が重要

2日目は主にグループワークを実施。老健あいの郷の荒井優子・介護士長が講師を務め、「目標管理(BSC作成)」と題して講義した。荒井・介護士長は目的と目標の違いについて、「文字どおり目的は“ 的(まと)”、目標は的に向かうための“標(しるべ)”」と説明。そのうえで目標を立てるポイントを解説した。

そのひとつに、TQM(Total Quality Management=総合的品質管理)の視点をもつ重要性を指摘し、その後、介護業務を活動ごとに分け、質の高いサービスを提供するためのグループワークを行った。

講義の後半ではPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを解説。目標を達成するために絶えずサイクルを回し、なかでも評価の方法やタイミングなどに注意するよう呼びかけた。

2日目の最後も中本講師が登壇。初日の講義をふまえグループワークを行った。「慢性的な人員不足の解決」、「職員の意欲向上につながる環境づくり」など、グループごとに課題を与え、各グループは現状・影響・原因を分析し、目的、行動目標、目標を達成するための戦略を模造紙に書き出し、それぞれ発表した。

滝井・総看護師長の挨拶で研修は終了。阿部施設長は「研修内容を検証し、今後も継続していくつもりです」と管理職の育成に余念がない。

→徳洲新聞1169号掲載