大垣徳洲会病院

大垣徳洲会病院(岐阜県)は初めてDMAT(国の災害派遣医療チーム)や他病院と連携した大規模災害訓練を行った。DMATを中心に自院の防災訓練と地元大垣市北地区の総合防災訓練との合同開催とし、32人の病院職員に加え、地域住民の方や防災士ら約500人が参加した。

大垣病院は定期的に災害訓練を実施してきたが、従来はトリアージ(緊急度・重症度選別)をはじめ「来院した患者さんを受け入れる」ための内容が中心だった。
しかし、近隣に災害拠点病院がなく、自院がNPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)やDMATの隊員を有し、さらに職員のなかにJMAT(日本医師会災害医療チーム)の講習受講者が在籍していることなどから、総合的な訓練の構想を描いていた。
院内の防火・防災委員会メンバーでもある辻量平リハビリテーション科主任は「南海トラフ地震も含め当院の役割を考えると、きちんと患者さんを選定・搬送できるような訓練が必要と考えていました」と説明する。同委員会内で考えた結果、自院の災害訓練と地元・北地区の総合防災訓練を合同で実施することを立案。北地区には55の自治会が存在し、大塚正晴・北地区連合自治会長らを含め何度も会議を重ね、実現した。
訓練は大規模地震が発生したという想定の下、実施。同院は32人の職員が参加し、1階にトリアージエリア、4階の会議室に災害対策本部を設けた。本部には本部長の間瀬隆弘院長、西村なおみ看護部長、倉坪弘一事務長らが入り、院内やライフラインの状況を確認。その後、EMIS(広域災害救急医療情報システム)の入力や衛星電話を使い、外部との連携に関する訓練を行った。一方、北地区総合防災訓練では住民の方々が北地区センターに避難。同センターに配置された防災士が判断し、ほかの被災住民の方が、ただちに治療が必要と思われる方を担架や車いすを使ったり、背負ったりして搬送していた。
同院には約50人の模擬患者さんを搬送。トリアージした結果、多くが黄色タグまたは赤タグとされ、それぞれのブースで初期診療までを行った。また、同じ岐阜県内の松波総合病院のDMAT隊とも連携。駆け付けた隊員が災害対策本部やトリアージエリアなどをサポートした。途中、余震に関する全館放送を2回流し、病院職員が本部に状況などを報告する訓練も行った。
終了後、参加した仙石昌也・整形外科医長は「あまり経験のない訓練でしたが、想像以上にスムーズにできたと思います」と笑顔。ただし「参加医師を増やすことや防災・災害に関する職員間の知識差の解消」など課題も挙げた。訓練の立案にかかわった長橋弘典・総務課係長も「発災時に病院機能を維持していけるように、今後も訓練を継続したい」と気を引き締めていた。

→徳洲新聞1165号掲載