東北地方

第1回生46人が巣立つ 徳洲会の病院に15人が入職

仙台徳洲看護専門学校(宮城県)は3月8日、「平成24年度卒業式」を開き、第1回生46人を送り出した。徳洲会グループが仙台市から看護師養成事業を承継し、2010年4月に新たなスタートを切ってから初の卒業式。グループ内外の病院に看護師として入職したり、大学に進学したり、それぞれ限りない未来に向かって新たな一歩を踏み出した。卒業生のうち15人が徳洲会グループの病院に入職する。

鈴木校長から卒業証書を受け取る卒業生

卒業生は仙台徳洲会病院9人をはじめ、仙台市立病院3人、東北大学病院3人など、宮城県内の病院に32人が入職。県外の病院には、湘南鎌倉総合病院と湘南藤沢徳洲会病院(いずれも神奈川県)各2人、山形徳洲会病院、名古屋徳洲会総合病院(愛知県)、岩手県医療局、聖路加国際病院(東京都)各1人など11人が入職する。進学・編入は3人。

式は同校3階の講堂で開かれた。在校生や保護者、教職員、来賓の温い拍手に包まれ、卒業生は緊張した面持ちで入場。鈴木俊子校長(庄内余目病院副院長)は一人ひとりに卒業証書を手渡した。

鈴木校長は式辞で「これから看護業務を行う現場での姿勢や考え方が、看護師としての原点や生涯の看護観につながります。真っ白なハンカチは何色にも染まります。良い色に染まってください」とメッセージを送った。

続く来賓祝辞では、徳田虎雄・徳洲会理事長の言葉を徳田哲・副理事長が代読。「自信をもって恐れずに進んでください。ご自身を大切にし、親孝行も忘れないでください。多くの病める人、弱い人たちのために、ナイチンゲールやマザー・テレサに負けない愛の心で立派な医療人となり、復興の光となることを期待しています」と激励した。

実習施設にもなっている仙台徳洲会病院の福地満正院長は、「どこにいても自分を成長させてくれる材料が必ずあります。"患者さんにとっての最善"が医療の原点であることを忘れないでください」と心構えを説いた。

「つらい時には仲間や教員を思い出してください」と鈴木校長

宮城県看護協会の上田笑子会長は、「看護業務はますます専門的になり、難しくなってきていますが、途中で諦めず頑張ってください」とエールを送った。徳洲会グループ看護部の遊佐千鶴統括は、感謝の気持ちを伝えることや目的意識をもつことの大切さを述べ、「何事も貪欲に学び果敢にチャレンジしてください」と勇気づけた。

記念品や花束の贈呈後、2年生の高橋千夏さんが送辞を読み上げた。

答辞は卒業生代表の渡邉琴美さんが述べた。感極まり時折言葉に詰まりながら、関係者への感謝の気持ちを表し、在校生に「目標を見つけて前進してください」と先輩らしい言葉で締めくくった。

式終了後、鈴木校長は「10年後に中堅看護師に成長し、後輩を指導する姿を見ることができれば嬉しい」と、今後の活躍が待ち遠しそうだった。

来賓や教職員らと記念撮影

徳洲会体操クラブの田中和仁選手が講演
壁にぶち当たっても乗り越えて!

学生たちにメッセージを送る田中選手

卒業式開催に先立つ3月4日、徳洲会体操クラブの田中和 仁選手が仙台徳洲看護専門学校を訪れ、「スポーツが教えて くれたこと」というテーマで、第1回生卒業記念講演を行った。 1〜3年生までの全学生142 人と教職員12 人が参加した。

同校の鈴木美智子副校長は「銀メダルを手にするまでの努力やプレッシャーの克服など、これから社会に出る学生に 参考になることが多くあると思い、田中選手に講師をお願いしました」と明かす。

講演は対談形式で行われ、進行役の足沢美由貴教員が質問し、田中選手が答える形で進められた。田中選手は夢、目標達成のために必要なことや、緊張・プレッシャーの克服方法などを語り、「学んできたことを生かすことが、現場で力を発揮することにつながります。壁にぶち当たった時にも、それを乗り越えて立派な看護師になってください」と励ましの言葉を贈った。