徳洲会グループ

徳洲会乳がん部会は3月3日、徳洲会オンコロジー(腫瘍学)プロジェクトの一環として、都内で第3回乳がん研究会を開催した。全国の徳洲会病院から多職種70人が参加し、症例検討会や乳がんレクチャーを通じ診療レベルのアップに努めた。

症例検討会では看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、臨床検査技師(超音波検査士)、歯科衛生士と多職種が登壇、全9演題の発表を行った。

冒頭、徳洲会オンコロジープロジェクトの新津洋司郎顧問(札幌医科大学名誉教授)が「多彩な演題が集まりました。今日得たことを患者さんに還元していくことが大切です」と挨拶。乳がん部会の部会長を務める間瀬隆弘・大垣徳洲会病院(岐阜県)院長は「“がん診療なら徳洲会”と言われるようになるため、多職種が研鑽(けんさん)を積むことのできる機会をこれからも設けていきたい」と意欲を見せた。

1演題目は東京西徳洲会病院の平本亜希子看護師、首藤尚世・理学療法士、滝島抄恵・管理栄養士が、化学療法患者さんへの各職種のかかわり方などを紹介。続いて同院の小池匡子・歯科衛生士が周術期の口腔(こうくう)機能管理の取り組みに触れ、治療中断となるグレード3以上の重篤な口腔粘膜炎の発生がないなど成果を発表した。

札幌徳洲会病院の金刺彩子看護師も周術期口腔ケアをテーマとし、がんと診断したときからの口腔ケアの取り組みを報告した。

一方、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の坂井由紀子・臨床検査技師(超音波検査士)は粘液がんとの鑑別を要した線維腺腫の症例に関して、腫瘤(しゅりゅう)径、超音波所見、病理診断を後方視的に検討し、結果を報告した。

大垣病院の加藤貴由薬剤師は抗がん剤の曝露防止対策の取り組みを紹介。札幌東徳洲会病院の徳留章薬剤師はがん患者指導管理業務、PBPM(プロトコルに基づく薬物治療管理)によるHBV(B型肝炎ウイルス)スクリーニング(選別)の取り組みを発表した。

湘南鎌倉病院の長岡和徳薬剤師は抗がん剤のドセタキセルによる皮膚障害の発現要因を検討。吹田徳洲会病院(大阪府)の高木明子薬剤師は、分子標的薬であるパルボシクリブの投与症例の治療経過などを報告した。千葉西総合病院の判田友美・看護師は妊娠期の乳がん患者さんに関し、多職種が治療方針などを検討し情報共有を図る合同カンファレンスの取り組みを紹介。

症例検討会とは別に、乳がんレクチャーと題し吹田病院の藤本泰久・乳腺外科部長が「乳房超音波におけるカラードプラ法の実際と微小石灰化病変のtwinkling artifact」、東京西病院の佐藤一彦副院長が「乳がん治療の進歩とビッグデータの活用」をテーマにそれぞれ講演を行った。

終了後には「これからの乳がん治療を考える会」を別室で開催(他団体が主催)。藤田保健衛生大学の内海俊明・乳腺外科教授が「EMT(上皮間葉転換)を考慮した乳がん治療」をテーマに講演、間瀬院長が座長を務めた。EMTとは上皮細胞が間葉系様の細胞に変化するプロセスのことで、がんの浸潤や転移に関係していると考えられている。

→徳洲新聞1131号掲載