高砂西部病院

第21回日本病態栄養学会年次学術集会が3日間、京都市内で行われた。徳洲会は5病院が計11演題を発表(ポスター発表含む)。その中で、今回初めて看護師を対象としたセッションを紹介する。

多職種で知識共有

松末美樹・看護主任 高砂西部病院(兵庫県)

今回初めて看護師を対象としたセッション(テーマ:栄養療法における看護師の専門性と他職種との協調)が設けられ、松末主任は「脂肪乳剤使用における看護師の意識調査より見えてきたもの」と題し発表した。NST(栄養サポートチーム)専門療法士の資格をもち、院内でのNST活動の促進に向け活動している。

脂肪乳剤は静脈注射で用いる栄養剤のひとつ。必須脂肪酸の供給源となるだけでなく、少量で高カロリーの投与ができるため、とくに末梢(まっしょう)静脈栄養を行ううえで「重要な薬剤」と指摘。自院でも栄養が十分に確保できない患者さんや静脈栄養のみで管理されている患者さんに脂肪乳剤の使用を提案するとともに、使用方法や必要性に関する勉強会を定期的に開催した。しかし、職員の意識変化や使用回数に変化が見られなかったため、NST活動の活性化を狙い、まずは同じ看護師を対象にアンケート調査を行った。

一般病棟や外来、手術室などを対象に15日間行い、87人から回答を得た。結果は脂肪乳剤について9割以上が知っていたものの、投与ルートや投与速度が異なっていることが判明。脂肪乳剤に対する誤解も少なくなかった。

松末主任は勉強会の内容が看護師の目線に即していなかったことを省みるとともに、あらためて医師、薬剤師、管理栄養士など多職種共同で脂肪乳剤の投与管理に関する知識を深めていく必要性を強調した。

発表後の質疑応答で現在、勉強会の開催のみならず、参加できなかった職員のために、会の内容を簡潔にまとめた印刷物を作成するなどして、知識の共有を図っていることを明かした。

→徳洲新聞1124号掲載

 

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