宇治徳洲会病院
2018/03/09

京都府城陽市に城陽訪問看護ステーション(訪看ST)がオープンした。同市は高齢化率(総人口に65歳以上が占める割合)の高さに比し、訪看ST数が少ないという問題を抱え、これまで宇治徳洲会病院(京都府)内の訪看STが担っていたが、遠方のため断らざるを得ないこともあった。
同院の齊藤文代・看護部長は「国の方針として患者さんを在宅に帰す流れがあります。退院後も手厚いケアをするため、裾野を広げたいと考えました」と城陽訪看STの開設経緯を説明する。
昨年10月に開設以来、登録数は徐々に増え、1月末時点で48人。職員4人で24時間対応している。開設時、宇治徳洲会訪看STから30人ほどの患者さんを引き継いだが、以降は地域の医療機関や地域包括支援センター、居宅介護支援事業所などを訪問し、地道に集患した。
城陽訪看STの宮城理恵所長は「城陽市で24時間対応しているのは、当ステーションのほかに、ひとつしかないので重宝されていると思います」と手応えを感じつつも、「地域の診療所医師と新しく関係を築いていくのは大変です。宇治にいる時は、すぐ担当医に患者さんの相談ができましたから」と苦労を語る。
今後は看取りの件数を増やしていくためにも、スタッフの補充や地域の医療機関との連携など体制を整えていく。齊藤・看護部長は「1人で訪問看護を実施するには、ある程度の臨床経験が必要です。当院との人材交流も含め、体制強化に協力していきます」。宮城所長は「患者さんだけでなく、ご家族にも不安を与えないようにしっかり支えていきたいです」と意気込みを見せている。
→徳洲新聞1122号掲載