神戸徳洲会病院

神戸徳洲会病院は1月17日、神戸市シェイクアウト訓練に初参加、プラスワン訓練(自主的な防災訓練)として院内の災害訓練と勉強会も実施した。シェイクアウト訓練とは、地域の学校・会社などが参加して行う大規模な地震防災訓練をいう。決められた時間に緊急速報メールを受信、その場にいる全員が身を守るための基本行動を実践する。同院が地震を想定した災害訓練を実施するのは今回が初めて。職員が一丸となり災害時の初動の流れなどを共有した。

午前10時、防災行政無線から鳴り響く地震発生を知らせるアナウンスを合図に、その場にいる全員がドロップ(姿勢を低くする)、カバー(頭を守る)、ホールドオン(動かない)という身を守るための基本的な行動を実践する――これを神戸市内の学校や会社などが参加し、大規模に行うのがシェイクアウト訓練だ。

神戸市が阪神・淡路大震災の起きた1月17日に毎年開催しており、今年で4回目となる。まだ市民に浸透しきってはおらず、同院でもロビーにいる患者さんが訓練を実践するには至らなかったが、大震災の教訓を生かした年1回の訓練として意義のあるものだ。身を守る訓練をした後は、それぞれの学校や職場などで、避難訓練や備蓄物資の確認などプラスワン訓練を行うことを神戸市は奨励している。

同院は今年初めて同訓練に参加。プラスワン訓練として、院内で地震を想定した災害訓練を初めて実施、その後に勉強会を開いた。

参加した理由を中村美津・看護部長は「阪神・淡路大震災から23年経ち、私を含め震災を経験していない職員が増えてきたため、あらためて震災について考える良い機会だと考えました」と説明。さらに、「当院は災害拠点病院ではありませんが、近くに大きな病院がないため、震災時にはたくさんの被災者が押し寄せる可能性があります」と強調する。

同院で現在は数少ない震災経験者でもある青木一郎事務長は「頭のなかでは地震が起きた時にどのように行動すれば良いか、なんとなくわかっていますが、自分だけがわかっていてもいけません。有事の際に職員全員が同じように行動できるようになる必要があります」と経験から災害訓練の重要性を感じている。

地震を想定した災害訓練は今回が初めてということもあり、急な事態に職員がどれだけ動けるかを確認する意味を込めて、あえて細かいシナリオはつくらなかった。職員は事前に院内の防災マニュアルを確認しておくよう伝達され、部署ごとに中村・看護部長が作成したアクションカード(震災時の初動チェック表)が配布された。

職員はシェイクアウト訓練で身を守るための基本的な行動をした後、部署ごとにアクションカードを使って被災状況を確認。同時にロビーに災害対策本部を設置、樋上哲哉院長を災害対策本部長に据えた。続いて職員がロビーに集まり部署ごとに現状を報告、その後、樋上院長の指示により患者さんを受け入れる準備に移った。

救急外来入口の外にトリアージ(重症度選別)ブースを設け、同じ場所に緑(軽症)、救急外来室の向かいにある生理検査室に黄(中等度)、救急外来室に赤(重症)のブースを設置。模擬患者さんなどは準備せず、各色に分かれて流れや必要な物資などについて話し合う形式で訓練を進めた。

訓練終了後は座学での勉強会を実施。中村・看護部長が「地震が起きたらあなたはどうしますか?」、秋田健太郎・救急救命士が「トリアージ」をテーマにそれぞれ講演を行い、災害訓練で学んだ知識をより深めた。

中村・看護部長は震災対策として日常的に点検すべきポイントなどを解説。今回の訓練で使用したアクションカードにも触れ、次回以降の訓練に向け各部署で内容をブラッシュアップしてほしいと要望を出した。さらに「今回の訓練は初動のみでしたが、災害は長期にわたる対応が必要です。今後も継続していきましょう」と来年以降の課題を提示した。

秋田・救急救命士はトリアージの種類や注意点、方法を説明。医療資源が不足する状況では、速やかに診療と搬送を行うために患者さんの選別(区分の決定)を行うことが必要であるとし、「トリアージは一度きりではなく反復して行うことが必要です。迅速さと正確さが求められるため、訓練が必要になります」とまとめた。

最後に総括として樋上院長は「今回は災害訓練のための練習のようなものでしたが、第一歩として意義のあるものでした。わかったこと、気付いたことがたくさんあると思いますので、来年以降につなげましょう」と問題提起。

青木事務長は「災害は忘れた頃にやってくるので、危機管理への意識を高めることが大切です。そして地震が起きた時に、この病院に何ができるか、自分自身に何かできるか考えていければ良いと思います」と意欲を見せた。

⇒徳洲新聞No.1119掲載記事

 

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