徳洲会グループ

インドネシア国際循環器サミットで発表
ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター視察も

徳洲会一行は11月22日から3日間、インドネシアを訪問し、「第3回インドネシア国際循環器サミット」に参加、医師、看護師が最新の治療技術や看護研究を発表した。サミット終了後は、建設が進む「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」の現場視察や、国立ハラパンキタ循環器病センターの幹部らと今後の交流を見据えた情報交換を実施。離島医療を原点とする徳洲会のノウハウを共有し、両国の医療発展に向けた連携を深めた。

サミット終了後、建設中のハラパンキタ・徳洲会循環器病センターの現場を視察。翌24日には6人が帰国し、八木沼本部長ら10人が国立ハラパンキタ循環器病センターのイワン・ダコタ院長ら幹部との情報交換を行った。徳洲会一行のなかには、同センターでの研修を希望する八尾徳洲会総合病院(大阪府)の春日健介・心臓血管センター医長や湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の藤縄貴大・心臓血管外科医師も同行した。

インドネシアでは、国内の医療の質に対する不安から、富裕層がシンガポールに流出しているのが現状。同センターはナショナルセンターとして、「自国の国民を自国で守る」という思いを抱えており、徳洲会が培ってきた運営ノウハウの共有を求めた。

同センターが徳洲会から学びたいことは、①在宅ケア、②ヘリポートの運用、③震災や火災などの災害マネジメント。慢性的な大渋滞が救急搬送の障壁となっているジャカルタでは、空からの搬送路開拓は喫緊の課題。また、日本と同じ島国であることから、災害時の迅速な危機管理体制にも強い関心を寄せた。

また、イワン院長はかつて日本での研修経験をもち、日本の医療の質の高さを熟知。同センターは、インドネシア全土の医師や看護師を教育する役割も担っているため、医療技術に加え、相手を細やかに思いやる「日本のホスピタリティ精神」の教育も求めていた。また将来的には、循環器のみならず脳循環(脳血管)分野の強化も見据えた交流を希望した。

同センター内の視察では、課題も浮き彫りになった。ICU(集中治療室)のモニターや電子カルテの不足といったインフラの未整備が、看護師の業務効率を阻害することを確認。八木沼本部長は「日本のスタンダードと比較したアドバイスをしても現実的ではありません。なるべく現場の声に寄り添う姿勢を示しました」と振り返る。

また、八木沼本部長は「1万以上の島々からなるインドネシアと、離島・へき地医療を原点とする徳洲会には共通点も多くあります」と強調。徳田虎雄・名誉理事長が、アジアの窮状を救いたいと願った原点に思いを馳せ、「今回のプロジェクトは『慈愛の結実』であると思います」と力を込めた。

同行した當眞・看護師長は「日本とインドネシアでは医療制度、経済背景、宗教観の違いから、終末期医療の文化に大きな違いがあるとわかりました。こうした背景を理解し、患者さんやご家族の価値観に寄り添った支援を行うことの重要性をあらためて感じました」、種村・看護副主任は「今回の出張をとおし、地域性の違いが疾病に与える影響について学びました。日本でも都道府県で地域性があり、自分が所属する地域の特性を知っておくことが、疾病予防や治療に必要であると考えます」と感慨深げ。

→徳洲新聞1528号掲載