徳洲会グループ

課題を解決に導く技術として期待

「それではタイムアウトを行います」。看護師がこう切り出すと、手術室内に流れていたBGMの音量が自動的に絞られた。奄美群島にある徳洲会病院で、今まさに自動手術が始まろうとしていた。離島・へき地をはじめ地域医療を担う徳洲会にとって、遠隔手術や自動手術は親和性の高い技術だ。

「患者さんの氏名は〇〇〇、生年月日は〇〇〇、IDは〇〇〇。年齢は68歳。予定術式は『完全自律型ロボット噴門側胃切除術』で間違いありませんか?」。看護師が続けると、ロボット手術の責任医師が「間違いありません」と返答し、予定出血量や注意点など共有事項を確認した。

この後、手術器具を入れるポート(穴)をつくる手技を医師(人間)が行い、ロボットアームに腹腔鏡や鉗子をセッティングして挿入。腹腔鏡の画像を認識したAIがアームの操作を開始し、スムーズで的確な手技を実行した。医師がうなずきながら画像を見つめる。噴門側の手術は、食道の組織がもろく、残った胃と吻合する際に繊細な操作を要し、高度な技術が求められる。ロボットは経験豊かな専門医と変わらぬ見事な手術を行ってみせた。

技術の進歩と反対に、外科医不足や専門医の偏在など課題は尽きない。ひとつのブレイクスルーとして、遠隔手術や自動手術は期待できるテクノロジーだ。患者さんに恩恵のある技術であれば、徳洲会グループはこれからも安全性を確認しながら取り入れていく方針だ。

→徳洲新聞1524号掲載