徳洲会グループ
「日本死の臨床研究会」では13演題発表
徳洲会緩和ケア部会は11月1日、第48回日本死の臨床研究会年次大会に合わせ、岩手県盛岡市内で「2025年度徳洲会緩和ケア部会」を開催した。緩和ケア病棟の運営の工夫などをテーマとする一般演題5演題に加え、外部講師を招聘して特別講演も実施。会場とオンライン参加で多職種の約90人が、知見を共有するなど研鑽を積んだ。同研究会では徳洲会グループから13演題の発表があった。
冒頭、当番世話人を務めた吹田徳洲会病院(大阪府)の馬場美華・緩和医療科部長が「参加された皆さんにとって実りの多いに会になることを期待しています」と開会の挨拶。
続いて、札幌南徳洲会病院の四十坊克也院長が座長を務め一般演題を実施。まず名古屋徳洲会総合病院の橋本かの子・看護師長(緩和ケア病棟)が「当院緩和ケア病棟における運営の工夫」をテーマに発表した。
同院は18床の緩和ケア病棟を有し、コロナ禍を契機に入棟面談を廃止。代わりに入退院支援室が依頼元の医療機関と連絡を取り合い、患者さんの情報を収集。特徴として「外科中心の運営」、「主治医制」などを挙げ、病棟専従医が外科所属のため対象患者の拾い上げが容易であることや、同病棟への時間外緊急入院対応も比較的容易であることなどを紹介した。また緩和ケア外来枠、同相談枠を増設し、入院時の情報収集を早期から実施するなど工夫をアピールした。
次に、千葉徳洲会病院の富塚真理子・看護師長(がん緩和ケア相談支援室)が「総合病院の緩和ケア病棟に求められる運用上の現状と課題」をテーマに口演。同院の緩和ケア部門は、がん緩和ケア相談支援室を入り口として緩和ケア病棟(24床)、緩和ケアチーム、緩和ケア外来がある。「同室には専従で2人の緩和ケア認定看護師を配置し、患者さん、ご家族、地域の医療機関からの相談業務、緩和ケアに関する前方・後方支援、緩和ケアチーム、緩和ケア外来を担当しています。認定看護師が直接対応することで速やかな対応に努めています」と強調。今後の課題として人材の確保と教育などを提示した。
福岡徳洲会病院の田口直美・看護師長(緩和ケアチーム専従看護師)は「当院緩和ケアチーム運営に関する工夫」をテーマに発表。同院では主治医や病棟看護師からのコンサルトを受けて協働する緩和ケアチームが活動している。運営の工夫として、終末期のイメージを払拭するため、名称を緩和ケアチームから「症状緩和チーム」に変更。さらに、麻薬など重要な処方・変更が夜勤帯にずれこんでいたことなどを改善するため、2チーム制に見直しを図ったことなども紹介した。
宇治徳洲会病院(京都府)の松橋晴子・看護師長(緩和ケア病棟)は「人生を生ききった奇跡の症例」をテーマに発表。松橋・看護師長は外来化学療法や集中治療、高齢者医療、産科、在宅診療など、さまざまな部署を経験。「緩和ケアでは、患者さんが少しでも笑顔で穏やかに過ごせるように、大切な方々の愛情を受けながら死を迎えるまでの時間を経験豊かなスタッフと過ごすなかで、“奇跡”を感じる場面がありました」と振り返り、家族やスタッフとの感動的な交流の描写を交えながら「生ききったと思える奇跡の5症例」を紹介した。
→徳洲新聞1522号掲載

