和泉市立総合医療センター

肝胆膵外科手術の質担保と外科医師確保

和泉市立総合医療センター(大阪府)は「高度技能専門医修練施設」に認定された。これは、難易度が高い肝胆膵(肝臓、胆道・胆嚢、膵臓など)の外科手術を安全に提供するとともに、実施できる外科医の育成を図るために、日本肝胆膵外科学会が設けた制度。認定されるには、厳正な審査をクリアしなければならない。認定はAとBの2区分あり、同院はB。国の地域がん診療連携拠点病院に指定されていることから、より専門性の高いがん診療を目指し、2023年に肝胆膵外科を開設、実績を重ねてきた。

24年度までの2年間は田中部長を含め常勤医師2人体制だったが、25年度に高度技能専門医の資格をもつ渡邉元己医師が副部長職で入職、常勤医師3人体制となった。マンパワーの拡充を図るかたわら、手術器材も順次、整備。術中診断に欠かせない超音波診断装置を導入したり、とくに繊細な操作が求められる肝切離に用いる超音波外科吸引装置や術中のカラー蛍光イメージングシステムを更新したりした。「手術に支障がないように、対応させてもらいました」(掛川敬司・総務課資材係副主任)。

また、安全な肝胆膵外科手術を行うために、当初からスタッフの育成などにも注力。手順書を作成し、自院の特性に合わせ何度もブラッシュアップを図ると同時に、実際の手術室で器材を用いながら手術のシミュレーションを繰り返した。

同診療科の立ち上げ当初からかかわっている西七奈実看護師は「とくに腹腔鏡やロボット支援下肝切除は、患者さんの体勢を左にひねる体位を取ることが多く、そのため腕脇に神経障害を残さない、あるいは褥瘡をつくらないといったことが重要になります」と指摘。「スタッフが台に乗ってシミュレーションするなど、細心の注意を払い皆で検討して進めました」。

井上歩夢看護師も「田中先生がチームを大事にしてくれるので、コミュニケーションを図りながら体制や環境を整えていくことができました」と笑顔を見せる。

こうした取り組みを院内外で精力的にアピール。その結果、肝胆膵外科手術の症例が増加、さらに高難度手術も増えた。23年度は26例、24年度には30例を突破し、25年度に入って高度技能専門医修練施設を申請、6月1日付で修練施設Bに認定された。認定期間は30年5月31日まで。「手術支援ロボットの増設も症例が増えた要因のひとつです」(田中部長)。

修練施設A認定を目指す

診療科の開設から、わずか2年で修練施設に認定されたことに対し、田中部長は「手技も安定し、ストレスなく手術ができています。ただ、それも皆さんのおかげ。現在も消化器外科のバックアップを受けながら行っていますし、看護師、事務職員など、多職種の協力があってこそです。本当に感謝しています」とチームワークを強調。

認定を受けたことで、「手術の質を担保するひとつの目安になる」とアピールするとともに、「外科医師の確保にもつながるのでは」と期待を寄せる。今後、同院はさらに症例を重ね、修練施設Aを目指す。徳洲会グループでは同院を含め6病院が修練施設に認定されている。

→徳洲新聞1508号掲載

 

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