福岡徳洲会病院
患者さんと職員を守る!
福岡徳洲会病院薬剤部は、がん薬物療法の安全強化に努めている。とくに腐心しているのが、CSTD(閉鎖式薬物移送システム)を用いた患者さんや職員に対する抗がん剤の曝露防止だ。
抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を及ぼす。抗がん剤を調製、投与する際に、直接触れたり、揮発性の薬剤を吸入してしまったりすることを曝露と言い、曝露した場合、さまざまな健康被害が引き起こされる可能性がある。
CSTDは薬剤を調製・投与する際に、外部の汚染物質がバイアル内に混入することを防ぐと同時に、外に漏れ出すことを防ぐ構造の器具だ。「がん薬物療法における職業性曝露対策ガイドライン 」(日本がん看護学会、日本臨床腫瘍学会、日本臨床腫瘍薬学会合同で作成)では調製・投与の双方でCSTDの使用が強く推奨され、国も2010年以降、診療報酬面での評価を高くするなど、使用を推進している。
同院薬剤部は以前から一部の抗がん剤の調製を行う際にCSTDを使用していたが、こうした機運から22年3月にCSTDをより高品質のタイプに切り替え、すべての抗がん剤に使用を拡大。同年7月には外来化学療法センターでの抗がん剤投与時にも導入を開始した。
松浦徹副主任は「患者さんはもちろん、職員への曝露防止は世界的にも重要なテーマ。病院としても推進しています」と説明。同センターの久田ゆかり看護師(がん化学療法看護認定看護師)は「抗がん剤の漏れを回避するとともに、看護師の安心感、負担軽減にもつながります。院内の化学療法委員会でCSTDの適切な使い方を共有するなど、多職種で曝露防止を徹底しています」とアピールする。
秦晃二郎・副薬剤部長も「当院には、がん化学療法に関する専門資格をもった看護師や薬剤師が複数いるので、スムーズに話が進みました。最近は薬学生も就職に際し職場の安全に敏感になりつつあるので、継続して取り組んでいきたい」。
韓国の薬剤師が見学に訪れ高い関心
こうした同院の取り組みを参考にしようと、韓国から4人の薬剤師が6月18日に来院した。一行はCSTDを用いて抗がん剤を調製する薬剤師や投与する看護師の様子などを見学。とくに、調製では熱心に写真を撮る姿や、調製を確認するための重量監査システムにも多くの質問を寄せるなど、高い関心を示していた。最後に、互いに質問を投げかけるなど情報交換を行った。
渡邊裕之・薬剤部長は「かなり興味を示されていたのが印象的でした。海外から薬剤師の見学を受け入れるのは初めてでしたが、韓国の薬剤師事情も聞くことができ、私たちも勉強になりました」と振り返っていた。
→徳洲新聞1509号



