宇治徳洲会病院
宇治徳洲会病院(京都府)は米国フロリダ州にある友好病院「ホームズ地域医療センター」などから講師を招き、病院前外傷処置講習会を2日間、開催した。宇治病院の救急総合診療科や外科の医師、専攻医、初期研修医ら12人が参加し、病院前処置の考え方やスキルを学んだ。
同院の末吉敦院長は2000年にフロリダ州でBTLS(ITLS[米国版の病院前外傷処置教育コース]の前身)インストラクター資格を取得。BTLS日本支部を初代代表として立ち上げ講習会を開催し、最初の2年間で医師、救急救命士、看護師を合わせ3,000人が受講するなど大きな反響を呼び、JPTEC(日本救急医学会公認の病院前外傷教育プログラム)の礎となった。こうした活動が縁となり同センターと長年にわたり友好関係にある。
今回は、自身もパラメディック(緊急医療処置が可能な米国版救急救命士)であるジェフリー・ギリヤード・パラメディック養成校CEO(最高経営責任者)、同センター外傷整形外科のダニエル・セジーナ副部長、同センターに勤務歴があるジョナサン・ペイン脳神経外科医、同センターのヘリコプターフライト・プログラムディレクターであるロブ・スピベイ・フライト看護師を招聘。末吉院長、日並淳介・外科部長、西井洋一・形成外科部長も講師を務めた。
座学を通じて外傷の評価と管理、胸部外傷、頭部外傷、ショック、熱傷、指・四肢外傷、大量輸血プロトコルなどを学んだうえで、事故現場などを想定した実技訓練を行った。事故現場を想定し薄暗い閉所での気管挿管の演習や、気管切開、豚骨を使用した骨髄内緊急輸液の演習など実施。
また、宇治市消防本部救急隊員によるデモンストレーションを参考に、救急現場に倒れている傷病者(模擬患者)の全身評価やバックボードでの搬送までの演習など行い、2日目の最後に筆記・実技試験を実施し終了した。
末吉院長は「京都府でも医師が救急現場に出動するドクターカーシステムがスタートする見込みです。救命率の向上につなげていくため、病院前外傷処置のスキルを身に付けておくことが重要です」と意義を強調している。
→徳洲新聞1477号掲載



