和泉市立総合医療センター
2024/12/23

和泉市立総合医療センター(大阪府)は11月15日、世界糖尿病デーにちなみ『正しく知ろう糖尿病』と題した拡大版医療講演会を開催、WEB視聴者を含め地域の方など72人が参加した。
まず内分泌・糖尿病内科の大野恭裕・特別顧問が「糖尿病と腎障害」をテーマに講演。世界の糖尿病患者さん5億3,700万人のうち、年間670万人が糖尿病性の合併症などにより死亡していることを指摘し、三大合併症の糖尿病性腎症、網膜症、神経障害(細小血管障害)を一つひとつ解説した。
このうち糖尿病性腎症は悪化すると人工透析を導入する必要があり、QOL(生活の質)が大きく低下することから、「腎臓をできるだけ守ることが大切です」と強調。糖尿病の指標HbA1cが1%下がると、細小血管障害が37%低下するとのデータを供覧しつつ、「少しでもHbA1cを下げるようにしましょう」(大野・特別顧問)と呼びかけた。また、HbA1cだけでなくeGFR、尿タンパク、尿アルブミン値などもチェックするよう訴えた。
その後、上野山碧・管理栄養士が食事療法のポイント、林孝明・理学療法士が運動療法の効果と座ってできる運動方法、西山伊代薬剤師が糖尿病治療薬の使用方法や体調悪化時(シックデイ)の薬剤摂取方法、西野裕子・糖尿病療養指導士(看護師)が低血糖への対応の仕方やフットケアなど紹介。
林・理学療法士は資料とともに配布したゴムバンド(セラバンド)を用い、いすに座ったまま手足の筋肉を鍛えることができる運動療法を実践、参加者は見本を参照しつつ熱心に動きをまねていた。
→徳洲新聞1471号掲載