神戸徳洲会病院
全職員の意識改革促し組織的な取り組みへ
神戸徳洲会病院は8月31日、医療安全管理体制の見直しを完了した。神戸市からの改善措置命令を受け取り組んできたもの。市は来年8月末まで改善措置が適正に運用されているか確認する。改善措置では、患者さんの安全を最優先に考えた“組織的な医療安全管理体制”の実現に向け、診療体制はもちろん、とくに医療事故(疑いがある場合を含む)や医療安全に関する事案が発生した時の対策などを抜本的に改善した。全職員の意識改革を促す取り組みも講じ、医療安全文化の醸成に努めている。
改善措置完了でスタートラインに 信頼され安心してもらえる病院へ

診療体制でも安全を確保するために、さまざまな仕組みを構築。医師1人当たりの受けもち数の上限を設定したり、診療科ごとに医師体制の改善策を設けたりした。新規診療科の立ち上げには、プロジェクトチームを設置して月1回の協議を実施。予約枠の上限や急変時対応、看護師の配置や専門研修体制などについて基準や方針を定めた。
患者さんへの説明では、一定の質を担保するために、病院機能評価で求められるレベルの説明書や同意書のひな形を作成。専門の委員会も新設し、院内委員とは別に徳洲会グループとは関係のない客観的第三者の専門家として法律の専門家も加わり、使用順守率などを適宜、監査する。診療録についても院内に委員会を設置し、随時、チェックすることとした。これら以外にも、徳洲会グループ本部や徳洲会医療安全管理部会の支援を受け、同院は医療安全に関する抜本的な改善措置を講じた。

乕田・看護部長は「着任した時に、職員からは『この病院を何とかしたい』という思いを感じました。職員一丸で良い方向に変わっていきたいと思います」。
尾野院長は「医療事故を起こさないことはもちろんですが、大事なことは事故が起こった時に、あらゆる部署から報告が上がり、皆で検証する仕組み。特定の人や組織の意向や事例の内容によって方法が異なってはいけないのです」と強調。
そのうえで、「その意識が、すべての職員に行きわたれば本当に良い病院になります。職員に繰り返し伝えていますが、措置完了はゴールではなく、スタート。今後もひとつずつ誠実に取り組み、丁寧に地域の方に説明しながら、信頼を得られる病院、安心していただける病院になりたいと思っています」と語気を強める。
→徳洲新聞1459号掲載