徳洲会グループ
札幌東病院・湘南鎌倉病院
徳洲会グループ病院はQI(Quality Improvement=品質改善)大会を続々開催している。これは医療の質や医療安全の向上を図るため、院内の活動成果を発表し共有するのが目的。札幌東徳洲会病院と湘南鎌倉総合病院(神奈川県)をレポートする。
札幌東病院は部署QIをオンラインで行い、病院QIを9月5日に集合開催で実施した。それぞれ投票の結果、部署QIは47演題中、1位は感染管理室(流行感染症)、2位は医療安全室(患者間違い発生件数)。病院QIは「CA(心停止)発生件数の低減」、「手指衛生順守率の上昇」、「救急受け入れ件数の増加」、「平均在院日数の短縮」、「超過勤務時間の短縮」の5演題中、竹島裕美・看護部長による「超過勤務時間の短縮」が1位に選ばれた。
感染管理室は石塚孝子・看護師長(感染管理認定看護師)が発表。同院では過去に発症職員を原因としたアウトブレイク(集団感染)を経験しており、免疫不全患者さんや高齢者などに対し、重症化や治療の遅延を引き起こす可能性を示唆。インフルエンザ(A型・B型)、感染性胃腸炎(ノロウイルス)、新型コロナウイルス感染症の件数を分析、地域的な流行を把握し発症職員は院内に病原体をもち込まない、発症患者さんはただちに予防介入することでリスク軽減を図ったことを報告した。
竹島・看護部長は「今年度は超過勤務時間の短縮を図ることで、ワークライフバランスの改善や離職率の低減などにつなげることが目標」と強調。改善案として、部門長をとおして各所属長に平均超過勤務時間データを渡し、自部署で対策を考えるきっかけをつくったことなどを説明し、「今年度は目標値が15時間以内になり、より達成することが厳しくなりました。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAI(人工知能)などを活用し、経過や結果をワーキンググループ内で追っていきたい」と示した。
湘南鎌倉病院は9月9日に集合開催で行い、20演題の発表があった。最優秀QI賞(1位)は川守田旭翔看護師の「No残業DAY導入によるワークライフバランスの向上」。目標を「アフター5の充実度向上」と設定、看護師1人に月1日「No残業Day」を設け、実施前後のアンケートで満足度の向上に効果があったか評価した。結果、No残業Dayにより、アフター5 が充実していると感じている看護師が増えたと報告、「残業時間が多いと感じている職員が減少し、残業時間に対する意識が変容。継続することでワークライフバランスの向上につなげることができます」とまとめた。
優秀QI賞(2位)は具伊和之デジタルコミュニケーション室課長の「公式LINEアカウントのファン拡大に向けた取り組み」。自院の公式LINE をさらに活用し、登録者の拡大と効率的な情報発信を実現することを目的とした。配信時に「実用的」、「共創的」、「効果的」を徹底したところ、1月から8カ月でユーザー数が269%増加。「病院と患者さん・地域の主要な接点として、LINE 活用をさらに強化していきます」と展望した。
QI奨励賞(3位)は山上浩・救命救急センター長の「ER受診後72時間以内の予定外入院率低減化」。再受診率・入院率・HRR(ハイリスク予定外再受診)率は米国推計と比較し高値であること、コントロール不良な精神疾患患者さんが再受診率に影響していること、再受診理由は経過不良(感染症)が最多であること、画像見落としや血液培養陽性は少なかったことなどを報告し、今後の展望を示した。
→徳洲新聞1413号掲載

