徳洲会グループ

回復期リハ責任者会議を開催

徳洲会リハビリテーション部会は8月31日から2日間、成田富里徳洲会病院(千葉県)で第2回回復期リハ責任者会議を開催した。より質の高い回復期リハビリを提供するため、グループ統一の目標設定について協議を行ったり、横の連携を強化するための情報交換や、同部会の顧問医師が講演を行ったりした。回復期リハビリ病棟を有する23病院や、今後開設を予定している3病院を合わせた計26病院の回復期リハビリ責任者、部会幹部ら42人が参加した。

第1回はコロナ禍以前の2019年に開催。同部会全国責任者会議との同時開催で、全国規模の回復期責任者会議の単独開催は今回が初。同部会回復期病棟部門の責任者を務める宇和島徳洲会病院(愛媛県)の堀内あずさリハビリ科主任(理学療法士=PT)が司会を務めた。

初日の冒頭、徳洲会リハビリ部会の部会長を務める中田敦・札幌徳洲会病院リハビリ科室長(PT)は「しっかりと目標設定を行い、質の高いリハビリを提供していきましょう」と挨拶。

目標設定に関しては、同会議に先立って実施した実態調査をふまえ、セラピスト1人当たりの目標単位数(1単位20分以上)を検討。実態調査は1人当たり単位数の実績と、間接業務にかかった時間を把握するために行った。会議では、患者さん1人に対する1日当たり提供単位数は現状、全国平均に満たないことから、より良いリハビリを提供するために、回復期にはさらなる人員投資が必要ではないかなど、意見が上がった。

2日目は各施設の課題などフリーディスカッション後、皆川晃慶・徳洲会グループリハビリ顧問が「目指すべき回復期リハビリテーション病棟とは-地域包括ケアシステム構築を踏まえて-」をテーマに講演。皆川顧問は “リハビリの考え方”について「生活の再構築と、最重症者を絶対に切り捨てない。これが原点です」と強調。

また「病棟は看護が基盤ですので、回復期リハビリ病棟に専従医師が不在の場合は、病棟のマネジメントに関して看護師長がリハビリ科医師の役割を担わなければなりません。そのため次回の会議には専従医師や看護師長も出席してもらえればと考えています」と腹案を明かし、最後に、積極的に学会発表を行うなど学術活動を推奨した。

また、医事部会と連携しながら適切な人員換算を行っていくことや、人員不足施設の対策なども話し合った。

同じく徳洲会グループリハビリ顧問の池田喜久子・千葉徳洲会病院リハビリ科部長が「回復期リハビリテーション病棟とは? ~できること、そして望まれること~」と題し講演。「回復期リハビリ病棟は、患者さんのADL(日常生活動作)を可能な限り向上させ、在宅や施設生活が安定して継続できるようにしていくことが使命で、質的な充実がより一層大切となってきています」と指摘した。

→徳洲新聞1412号掲載