南部徳洲会病院
南部徳洲会病院(沖縄県)は4月15日、摂食・嚥下(えんげ)機能障害をもつ患者さんへの食支援を学ぶ勉強会「口から食べる幸せを守るin南徳」を開催した。多職種での知識共有と実践を目的に滝吉優子リハビリテーション科医長が企画。午前中は同院の大城初子看護師が事前講習、午後はNPO法人「口から食べる幸せを守る会」の小山珠美理事長(看護師)が講演や実技指導を行った。
厚生労働省が示す日本人の死因第3位は肺炎。この主な原因のひとつに誤嚥(ごえん)性肺炎がある。南部病院でも肺炎患者さんのうち約6割が誤嚥性肺炎で、摂食・嚥下機能障害をもつ患者さんが罹患(りかん)するリスクが高い。「この予防は1人の専門家がいれば良いわけではなく、多職種のスタッフの協力が必要不可欠です。多職種協働チームで、より良いケアを提供していきたいと思い企画しました」と、滝吉医長は意図を説明する。
当日は4月に入職した研修医や看護師、理学療法士に加え、沖縄にある徳洲会グループの中部徳洲会病院、グループホームひめゆり、徳洲苑かふうなど関連施設、離島から与論徳洲会病院(鹿児島県)の久志安範院長、川畑ゆりこ看護部長など100人を超える参加があった。
午前中に事前学習として、小山理事長が摂食・嚥下に関するビデオを上映、また同院の大城看護師が「摂食・嚥下障害のある患者へのアプローチ」をテーマに講習を行い、午後から小山理事長が「口から食べることを支援する包括的スキル」をテーマに講演、実技指導を行った。
小山理事長は、人間の尊厳は食べる権利にあると定義。しかし、医学的管理を優先し、食べたい希望が叶わないでいる要介護高齢者が多く存在していることを指摘した。高齢者への食支援として、まず摂食・嚥下のプロセスを解説。食べている時に話しかけると飲み込みにくくなる、固形と液体を混ぜたものは食べにくいなど、具体的な例を挙げた。参加者は配布されたゼリーを隣の人と食べさせ合いながら、納得した表情でうなずいていた。
実技指導では、実際のベッドサイドを再現。「おかゆですよ」、「かんでください」など、すぐに理解できる短い言葉で声をかけ、余計なことは話さないなど、患者さんを介助する際の話し方、姿勢など丁寧に指導した。
勉強会の終わりに、照屋いずみ副看護部長が「患者さんの口から食べたいニーズに応えるためには、入院直後から食支援を包括的に考える必要があります。自分のスキルを見直す良いきっかけになったので、現場で何が問題になっているか評価していきましょう」と総括。
滝吉医長は「口から食べることを大切にすれば、早期離床にもつながります。高齢の患者さんは食べられないと決め付けず、チームで協力していきましょう」と結んだ。
⇒徳洲新聞No.1083掲載記事

