静岡徳洲会病院
静岡徳洲会病院は、食事が食べられない患者さんが経口摂取に移行するケースを伸ばしている。2021年4月に開始した「口から食べるプロジェクト」によるもので、医師、看護師、管理栄養士、リハビリテーションスタッフ、MSW(医療相談員)などで構成する栄養サポートチーム(NST)が実践。入院早期にVE(嚥下内視鏡)による嚥下評価を実施。NSTメンバーと病棟スタッフで嚥下訓練方法や食事形態などに関しカンファレンスを行い、絶食期間を最小限にした早期の食支援により、経口摂取を維持できた患者さんが増加。また慢性期病棟では、経管栄養から経口摂取に移行できそうな方をピックアップし、経口摂取可能にしている。
きっかけは、チームリーダーの小川千代子・看護師長(摂食嚥下リハビリテーション学会認定士)がNICD(意識障害・寝たきり患者さんへの生活行動回復看護)学会認定を取得した際に、寝たきり患者さんへの看護を学んだことに起因する。18年頃から摂食・嚥下障害に関する学びを深めるなかで、当時担当していた病棟患者さんのなかに経口摂取へ移行できそうな方がいることを発見、療養病棟の有志で経口移行を試みた。その結果、移行できたケースが病棟内で増加。病院全体で取り組むために同プロジェクトを立ち上げた。
プロジェクト発足後、職員に対して食事介助の研修やソフト食(舌でつぶせるくらいの柔らかさの食事)の実食などを実施。経口摂取の重要性に対する認識が院内で広まり、21年度はVE 141件、経口移行11人、22年度はVE 227件、経口移行17人と着実に実績を伸ばしている。
「患者さんには日中、座位をとっていただきエネルギー消費量を増やすことで食欲を増進させるなど、嚥下機能だけでなく全身状態を管理することも大切です」と小川・看護師長。チームメンバーの亀山友美・栄養管理室副室長(管理栄養士)は「患者さんの体重が全体に増加傾向にあります」と成果を強調する。最近は急性期病棟からも嚥下機能評価の依頼が増えている。
今年6月には嚥下機能評価を目的とした入院の受け入れもスタート。小川・看護師長は「入院して評価を行い、退院後はかかりつけ医が評価に沿った指導を行います。地域全体の嚥下機能の向上につなげていきたいです」と意気軒高だ。
→徳洲新聞1395号掲載



