湘南藤沢徳洲会病院
湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)は月に1度、口腔(こうくう)ケア・リハビリテーションの第一人者である黒岩恭子・歯科医師(村田歯科医院院長)を招き、病室ラウンドを行っている。2月8日には湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の看護師10人も参加し、3人の患者さんへのケアの実践、その後に症例検討会も行い、口腔ケアの手技や方法論について学んだ。
在院日数の短縮にも寄与
黒岩・歯科医師との連携を始めたのは12年前、茅ヶ崎徳洲会総合病院(現・湘南藤沢徳洲会病院)の頃にさかのぼる。高齢の患者さんの飲めない、食べられないという悩みが深刻化していたため、当時、口腔ケアの第一人者だった黒岩・歯科医師に協力要請をしたのが始まりだ。最初はセミナーのみを行っていたが、スタッフから実際の手技を見て勉強したいという要望が高まり、現在の病室をラウンドする形になった。
院内の口腔ケアチームの責任者である荻原由貴・看護部副主任は「口腔ケアの重要性を院内に意識付けできたのは大きいと思います。方法がわからないまま口腔ケアをふだんの業務に取り入れるのはスタッフの負担も大きいですが、根拠に基づいた手技を学べば悩まずに行うことができます」と手応えをつかんでいる。
2月8日の病室ラウンドで担当した患者さんは3人。1人につき30~45分ほどの時間をかける。いずれも高齢者で、自分で歯みがきもできない重篤な患者さんだ。黒岩・歯科医師は口の筋肉を緩めるために、まずバランスボールなどを使って全身の緊張をほぐすことから始めた。
その後、患者さんに声をかけながら、独自開発した器具を使い口腔ケアを施す。口を開くのも厳しかった患者さんが、少し声を出せるようになった様子に、まわりを囲んでいた看護師からも感嘆の声が上がった。
症例検討会ではさらに人数が増え50人ほどが参加。各病棟から5例の症例提示とケアの説明があり、積極的に質問や意見が飛び交った。
湘南藤沢病院が目指すのは、清潔さのみを追求する従来の口腔ケアではなく、口腔機能の維持・回復に主眼を置いた口腔ケア。これにより患者さんのADL(日常生活動作)が向上、退院後の生活が安定する。さらに誤嚥(ごえん)性肺炎などの感染症を防ぎ、在院日数が短縮できる。今後は摂食・嚥下(えんげ)障害看護認定看護師の取得を進めるなど、さらに院内の口腔ケアの充実を図っていく。
⇒徳洲新聞No.1069掲載記事

