徳洲会グループ

徳洲会グループ看護部門は2月4日、千葉西総合病院で業務改善発表会を開催した。同会はこれまで毎年行っていた看護研究発表会に代わるもので、今回が1回目。グループで課題を共有し、医療の質と看護サービスの向上を図るのが狙い。全71病院のうち予選を通過した17病院が、今回の本選で発表。審査の結果、八尾徳洲会総合病院(大阪府)が第1位を獲得した。

 

1位に八尾徳洲会総合病院

業務改善発表会の前身である看護研究発表会は、各演題について研究という枠組みを前提に取り組む必要性があったため、演者の負担が大きかった。このため看護部門業務部会の検討により、主に業務改善を発表する会に内容を一新。一般社団法人徳洲会看護部門の佐々木和子部長は「看護の質、経営管理、職員のモチベーションなどの視点から取り組んでもらいました。今回の演題は、すぐに業務に直結するものばかりです」と強調。

まず全国の71病院を6ブロックに分け、予選会を開催。看護部長や事務部長が審査員として参加し、「テーマが妥当であり、解決目標が明確である」、「問題の原因調査および分析がデータ化されている」など実用的な指標をもとに評価し、18病院を選出した。

予選通過した病院のうち本選で発表したのは17病院。1病院の持ち時間は8分という短さだったが、各院ともに熱いプレゼンテーションを行った。審査の結果、1位は八尾病院、2位は南部徳洲会病院(沖縄県)、3位は福岡徳洲会病院となった。

八尾病院のテーマは「健診項目の見直しによるワクチンプログラムの充実」。2007年度から入職者を対象に流行性小児ウイルス感染症の抗体価検査を実施しているが、ワクチン接種に関しては自己責任にしていることを問題視。

そこで同感染症による職業感染を防止するため、病院負担によるワクチン接種を推進し、ワクチンプログラムの充実を図ることにした。ワクチン接種費用を捻出するために、職員健診の感染症項目の見直しを行い、不要な項目を段階的に削除。その結果、年間約1千万円以上のコスト削減につながった。ワクチンプログラム導入後の13~15年度では、職員の小児感染症発症者はゼロとなり、職業感染対策での費用効果を認めた。

南部病院は「入院サポートチームの結成~入院受け入れ体制の改善~」がテーマ。救急患者さんを断らない方針のなか、予約外の当日入院が多く、日勤終了間際から消灯までの時間帯に当日入院が集中することが問題の背景。煩雑化した業務のなかでの入院の受け入れは、十分なオリエンテーションができず、業務の負担にもなっていた。

そこで、16年2月より入院サポートチームを結成し、運用を開始。同年7月までのサポート件数は1350件で、入院決定から病棟案内まで速やかに対応する体制を構築したことにより、患者さんの外来待ち時間は約1時間短縮。患者サービスの向上と同時に、外来、病棟看護師の負担も軽減した。主任・副主任で開始した入院サポートは、現在、卒後3年以上の中堅看護師が担っている。

福岡病院のテーマは「超過勤務時間の短縮に向けての取り組み~早日勤制度を開始して~」。超過勤務が多い要因を看護師・患者さん・環境・システムの4つに大別して分析。その結果、①超過勤務が恒常化している、②日勤と夜勤の業務分担に不明瞭なところがある、③病棟経験年数の短いスタッフが多く業務能力に差がある――という3つが解決すべき課題として浮上した。

そこで、病棟患者さん受けもち体制を3チーム制から2チーム制に変更、クリニカルパス(診療計画表)の記録を簡素化、夜勤時間に影響のない8時から勤務開始となる「早日勤」という勤務形態を導入した。超過勤務時間が減少してもインシデント(事故が発生する可能性のある事態)報告件数の変化は見られないという結果となり、働きやすい環境づくりに成功した。

最後に行われた表彰式では、一般社団法人徳洲会の遊佐千鶴・常務理事が、最下位となった病院に〝千鶴賞〟として熊手を贈るひとコマもあった。さらに、「各院ともに改善活動を継続して、よりいっそう看護の質の向上に努めてほしいです」と激励した。

 

本選に出場した病院のテーマ一覧

新庄徳洲会病院 院内認定スキンケアアドバイザーを導入して
大和青洲病院 褥瘡院内ゼロを目指して
出雲徳洲会病院 褥瘡予防でコスト削減
羽生総合病院 認知症ケアの充実と効果的なシステムの構築について
長崎北徳洲会病院 口腔ケアの見直し~歯科衛生士の導入~
帯広徳洲会病院 清拭タオルの見直し
千葉西総合病院 顔の見える救急外来を目指して
~救急件数増加に向けたコミュニケーション~
湘南藤沢徳洲会病院 退院調整による平均在院日数の短縮
岸和田徳洲会病院 看護師主導による退院支援システムの構築
南部徳洲会病院 入院サポートチームの結成~入院受け入れ体制の改善~
福岡徳洲会病院 超過勤務時間の短縮に向けての取り組み
~早日勤制度を開始して~
榛原総合病院 看護師のワークライフバランス
札幌東徳洲会病院 中古ユニフォーム運用システムの構築
白根徳洲会病院 看護補助者の定着に向けた取り組み
徳之島徳洲会病院 採血室設置による患者待ち時間の短縮
名古屋徳洲会総合病院 医療消耗品(点滴ライン・環境整備の消毒液)の見直し
八尾徳洲会総合病院 健診項目の見直しによるワクチンプログラムの充実

徳洲新聞No.1071掲載記事(PDFが開きます)