徳洲会グループ

徳洲会グループ看護部門は2022年度の看護師長研修を実施、全国から38人の看護師長が5カ月に及ぶプログラムを修了した。
研修は昨年9月にスタート。グループ病院の看護部長が講師を務め、2日にわたり「看護師長の役割」、「組織管理」、「質管理」、「ヘルスケアシステム・医療と看護の動向」をテーマに講義を行った。10月には一般社団法人徳洲会(社徳)看護部門の倉掛真理子部長が「人材育成」、「看護管理実践計画の立て方」をテーマに講義。
今回も外部講師による講義を設け、水井大弁護士が危機管理について解説。
「日常的な危機管理」と「医療事故での危機管理」に大別して説明した。日常的な危機管理は主に労働環境を指し、顕在化しやすい問題として、長時間労働にともなう健康障害や残業代の不払いを指摘した。ハラスメントにも触れ、過去の判例などをもとにパワーハラスメント、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメントの各ポイントを解説。とくにパワハラ・セクハラと未払い残業代はセットで紛争に発展しやすい傾向や、長時間労働では法人だけでなく、上司個人も連帯責任を問われる可能性を示唆した。
医療事故での危機管理では、とくに患者さんや家族への対応について説明。「医療機関に対する不信感」が根底にあることを強調し、初動対応や説明・報告時のポイントを示した。看護師長としてスタッフのサポートに留意することも求めた。
12月に各受講者が立てた看護管理実践計画を発表し、最後のプログラムとして今年1月12、13日に社徳看護部門の八木沼正子本部長らが面接した。受講者からは「グループワークで他施設の管理者からの意見を聞くことができて良かった」、「学ぶ機会を与えてくださり感謝しています」、「管理者としての心構えや知識を多く学べました」などの声が聞かれた。