湘南鎌倉総合病院

TMATも加わり大規模災害訓練

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は「令和4年度ビッグレスキューかながわ」に参加した。大規模地震発生時の初動対応のうち、医療救護活動や救出救助を主体とする実践的訓練で、7月に神奈川県の災害拠点病院に指定されたことで訓練会場のひとつとなった。同院のスタッフやDMAT(国の災害医療チーム)隊員は県内の関係機関と連携し、災害対策本部の立ち上げ、傷病者(役)のトリアージ(重症度・緊急度選別)、ドクターヘリによる傷病者搬送などをトレーニングした。途中、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)と四街道徳洲会病院(千葉県)のTMAT(徳洲会医療救援隊)も合流した。

「ビッグレスキューかながわ」は大規模地震発生時の初動対応のなかで、とくに医療救護活動や救出救助に主眼を置いた実働訓練。2012年度から神奈川県が県内の市町と連携し開催している。医療関係機関を中心に行政、保健所、自衛隊や在日米軍などの連携強化、地域の防災力向上が目的だ。今年度は葉山町との合同実施となり、訓練会場のひとつに湘南鎌倉病院が指定された。同院は今年7月に神奈川県の災害拠点病院に指定されるとともに、従来の神奈川DMAT-Lに加え、日本DMATも立ち上げた。

訓練は10月16日に実施。発災を知らせるアナウンスが流れると同院の多職種は役割分担に従い、院内の一角に災害対策本部を設置。手術室や病棟など各部署でも対応体制を整え、1階のスペースでは救急患者さんの受け入れに向けトリアージスペースやトリアージ後の各対応スペースを設置した。同院の綱野祐美子・集中治療部医師ら一部のスタッフはDMAT隊員として活動を開始。

災害対策本部では「院内管理」、「診療」、「外部調整」の3部門を立ち上げ、情報収集・共有を実施。院内管理部門では院内の被災状況や医療材料・食事の備蓄状況など確認。診療部門では患者さんの状況や緊急手術の状況、ICU(集中治療室)の状況など診療全般に関する情報を集約した。外部調整部門では事務職員を中心に地域の医療機関をはじめとする関係機関、関連施設のライフラインなどに関する情報収集や、行政などへの対応を統括する役割を担った。

発災のアナウンス後、ほどなくして地域の保健所、消防、県内の統括DMATらが参集。災害対策本部と同じスペースに鎌倉保健福祉事務所、DMAT活動拠点本部・病院支援指揮所など拠点を設置するとともに、災害対策本部を含め、互いに情報共有を図りながら、傷病者(役)への対応や搬送などを行った。

湘南藤沢病院と四街道病院のTMATも、それぞれ現地から合流。各所と連携し、主に1階のトリアージブースで髙力俊策・湘南藤沢病院院長らが傷病者に対応した。ヘリ搬送の訓練も行い、ドクターヘリが湘南鎌倉病院の屋上ヘリポートに着陸し、傷病者をストレッチャーで機内に運び込むまでをトレーニングした。この日は首藤健治・神奈川県副知事が視察に訪れ、EMIS(広域災害救急医療情報システム)の入力画面やヘリ搬送の流れを確認したり、慶應義塾大学で地震防災を研究している大木聖子・環境情報学部准教授と学生や院生が見学したりした。

訓練終了後は参加者で反省会を行った。転院調整の進め方や申し送りのツールなど情報共有や連携の方法に課題を指摘する声が多く上がった。夜間の発災を想定した訓練の実施など、今後の訓練に対する提案も見られた。

綱野医師は「後から支援に入った統括DMATに引き継ぎ、他のDMATと連携する役割でしたが、当院のDMATはまだ活動経験がないこともあり、正しい情報を正しい場所に届ける難しさを実感しました」と振り返った。訓練の総合コントローラーを務めた山本真嗣・救急総合診療科部長は「当院にとって、実質的に初の大規模訓練。多くの反省点が見つかりました。個人的には、円滑な活動のためにアクションカードの拡充が大事だと思っています。いただいた意見を集約し今後の訓練に生かし、災害拠点病院として貢献したい」と意欲を見せていた。

→徳洲新聞1370号掲載

 

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