徳洲会グループ

東北ブロックが先行して推進

医療の質や医療安全の向上に注力する徳洲会グループは、健診部門のインシデント(ヒヤリハット)対策にも力を注いでいる。徳洲会健診部会東北ブロックが先行して実施しており、具体的には健診部門に関してもインシデントレポートを提出する文化を根付かせ、再発防止に力を入れる。東北ブロックは仙台徳洲会病院、山形徳洲会病院、庄内余目病院(山形県)、新庄徳洲会病院(同)、山北徳洲会病院(新潟県)の5病院。これまでに発生したインシデント事例をふまえ、「インシデントレベル分類表」を作成するなどして周知し、今後、全国への水平展開を見据えデータ収集を進めている。

重大事故1件の陰には軽微な事故29件が潜む

健診部会東北ブロック長を務める山形病院健診センターの村林若奈・看護師長は「グループを挙げて医療安全を強化する流れのなかで、健診部会でも事故防止の観点から、21年の活動目標として健診部門のインシデント対策実施を決定しました。ただし健診部門は看護師や保健師、事務職、臨床検査技師、診療放射線技師など多職種がかかわるうえ、健診センターに常駐する職種も病院によって異なるなど統一性が図りづらいという特性があります。そこで、まず東北ブロックがモデルケースとなり実施しています」と説明する。

医療機関でインシデントが発生した場合、再発防止のためにインシデントレポートを作成し、院内で情報共有を図る。安全管理の分野で有名な「ハインリッヒの法則」では、1件の重大事故の陰には29件の軽微な事故と300件のけがに至らない事故が隠れていると言われている。

日頃からインシデントレベル0や1に相当するけがに至らない事故の発生状況を共有しておくことで、重大事故につながる芽を未然に摘み、食い止められる可能性が高まる(インシデントレベルは0、1、2、3a、3b、4a、4b、5の8段階。数字が大きくなるほど重大な影響)。インシデントレポートは再発防止に欠かせないツールであると認識することが重要だ。

村林・看護師長によると、インシデントレポートの件数が病床数の5倍、そのうち1割以上が医師からの報告であることが医療安全活動の透明性の目安とされる。これは診療部門の目安ではあるが、いずれにしても一定以上の報告があることが成否を握る。

「健診センターの職員ひとりにつき毎月レベル0を2件報告することとし、達成率80%以上を初年度の目標としましたが、始めてみたところ達成できたのは1病院のみでした。課題を把握するなかで、これまでインシデント報告に慣れていないこともあり、起こった事象がどれくらいのレベルにあるのか判断が付かないという意見がありましたので、それまでの報告事例をふまえ、21年11月にインシデントレベル分類表を作成し、各病院に配信しました。その結果、少しずつですが報告件数が増えています」(村林・看護師長)

→徳洲新聞1368号掲載