徳洲会グループ
安全に「専門性」発揮
一般社団法人徳洲会(社徳)は「診療看護師規程」と「特定看護師規程」を施行した。徳洲会グループ統一の管理規程の作成は、診療看護師(NP)と特定看護師が専門性を発揮し、安全に業務遂行できる体制を構築するのが目的。各病院・施設は診療看護師管理委員会、または特定看護師管理委員会を組織し、同規程を遂行していく。現在、徳洲会グループにはNPが14施設29人、特定看護師が26施設87人在籍。

一方、20年には、徳洲会グループでの看護師特定行為研修の研修施設の充実と特定看護師の育成促進を目的としたプロジェクトが開始。当時、同研修の指定研修施設はグループに3施設のみだったが、他の超規模病院9施設も申請を進めるなど特定看護師の育成が加速。特定看護師規程の必要性も高まり、NPとあわせて作成を進めた。
最も慎重に検討したのが「実施可能な医療行為の水準」。この議論は徳洲会病院に勤務するNP、特定看護師に加え、院長や弁護士らも参加した。
規程では行為を水準1~6に分類。水準1は「医師の包括的な指示で実施できる行為」。水準2は「医師の指示がなければ行うことができない診療の補助行為」で、医療面接や身体診察、処方・指示の代行入力などにおける水準を示した。
水準3は「医師の立会いの下、または医師が直ちに対応できる状態で、医師の直接指示がなければ行うことができない診療の補助行為」、水準4は「医師の立会いの下でなければ実施できない診療の補助行為」。現段階では水準4の該当項目はなく、「本邦における診療看護師が行う医療行為の水準に対し、法的根拠等を含めた一定の合意が得られた場合、徳洲会本部で協議し、水準5または6の内容を水準4に引き下げる等の検討を行う」とした。
水準5は「原則として、徳洲会グループでは診療看護師に行わせない医行為」で、「高い侵襲をともなう行為であり、本邦では診療看護師が行う診療の補助行為として一定の合意が得られておらず患者の安全を担保できないため、原則として行わせない医行為」。たとえば①穿刺針による穿刺検査(関節、骨髄、胸腔、腹腔など)、②エコーを用いた中心静脈の穿刺およびブラッドアクセスの留置、③血管カテーテルを用いた検査――などが該当する。
水準6は「診療看護師が行ってはいけない医行為」で、①単独の判断による医療行為の実施、②診療の補助の範囲外であるとされる医行為(診断、処方、麻酔導入など)、③死亡診断書の代行作成、交付――など具体例を挙げた。
また研修に関し、診療看護師規程では「原則として1年間、診療看護師管理委員会規程で定める初期研修を行う」、特定看護師規程では「原則として1年以内に各行為区分ごとに5症例以上の個別研修を行う」と提示。研修修了後も継続的な研鑽の重要性を示した。
→徳洲新聞1341号掲載