近江草津徳洲会病院
単独・機能強化型 在宅療養支援病院に

近江草津徳洲会病院(滋賀県)は、在宅患者さんの急変などに24時間対応を行う在宅療養支援病院(在支病)の届出を行った。同院は救急・急性期医療や回復期医療に加え、2018年7月に訪問診療を開始するなど在宅医療を強化。今後も地域密着型のケアミックス病院として、多職種が協働しながら幅広い医療ニーズに応えていく。
全国の在支病施設数は20年7月時点で1546病院(厚生労働省保険局医療課調べ)。徳洲会グループで届出を行っているのは4月時点で17病院だ(表)。
在支病は08年度診療報酬改定時に導入された制度。届出を行うには訪問診療を提供している在宅患者さんに関し「24時間連絡を受ける体制の確保」や「24時間の往診体制、訪問看護体制」、「緊急時の入院体制の確保」といった要件を満たす必要がある。このほか「連携する医療機関などへの情報提供」、「年に1回、看取り数などを報告している」という条件をクリアすることで標榜できる。
単独の医療機関で体制を整備する単独型と、複数の医療機関が連携して整備する連携型に分かれ、なかでも「在宅医療を担当する常勤医師が3人以上」、「過去1年間の緊急往診の実績が10件以上」という上乗せの基準をクリアすると、機能強化型在支病に位置付けられる。近江草津病院は単独型の機能強化型在支病で、全国でも214病院(20年7月時点)にとどまる。
近江草津病院は18年7月に訪問診療を開始して以降、退院後に自宅や介護施設で療養生活を送る患者さんを積極的にサポート、また19年7月には「近江草津徳洲会訪問看護ステーション(訪看ST)」を開設。それまで、みなし指定で訪問看護事業を実施してきたが、在宅サービスの一層の強化を図るため、訪看STに移行した。
同院の梶原正章院長は「地域には在宅療養されているご高齢の患者さんが多くおられますので、患者さんやご家族が安心して療養できる環境を提供するため、当院は急性期医療とならび在宅療養を柱のひとつに位置付けています。当院は単独型ではありますが、周辺の診療所の先生や医療機関から患者さんを紹介いただくなど協力関係を築き、在宅医療に取り組んでいます」とアピール。
大河治子・看護部長は「多職種が協働して患者さんやご家族に寄り添い、思いを尊重しながら、安心・満足いただける在宅療養の支援に努めていきたい」と抱負を語っている。
→徳洲新聞1336号掲載