高砂西部病院

ケアミックス病院として多機能化

高砂西部病院(兵庫県)は10月に地域包括ケア病棟(48床)を開設した。同病棟は多職種連携により、急性期治療後の患者さんや在宅患者さんの急変時の受け入れ、レスパイト(患者さんを介護する家族支援のための短期入院)、リハビリテーションの実施による在宅復帰支援など幅広い役割をもつ。できる限り住み慣れた地域での生活を支える“地域包括ケアシステム”の一角を担う。救急・急性期から回復期、療養までケアミックス病院として地域医療に貢献してきた同院は、さらなる多機能化を通じ、より幅広い医療ニーズに対応していく。

老々介護や独居の増加に対応

「おはようございます。本日担当させていただく前田です。お身体の具合はいかがですか」

高砂西部病院の3階にある地域包括ケア病棟の一室で、前田葉月看護師はベッドに横になる患者さんに優しく話しかけた。患者さんは80代女性で、肋骨を骨折し同院の一般病棟に入院。保存的治療を行いながら急性期を脱したものの、まだ痛みが残っており独居のため在宅生活に不安があったことから、地域包括ケア病棟に移って入院を継続している。

同院はこれまで急性期一般病床139床、回復期リハビリ病棟32床、療養病床48床という病床構成で、このうち急性期一般病床の48床を地域包括ケア病棟に転換した。

新保雅也院長は「高砂市周辺でも老々介護や独居高齢者の方々が増えており、入院の原因となった病態自体が良くなっても、すぐに在宅復帰するのが困難なケースがあります。急性期病床は次の患者さんを受け入れる必要があることから、同じ患者さんが長期間入院するのは難しいのが現実です」と指摘。

続けて「地域包括ケア病棟であれば最長60日間の入院が制度上可能で、その間に要介護認定を申請するなど在宅復帰に向けた準備を整えることができます。同病棟の立ち上げによって、今まで以上にさまざまな医療ニーズに対応可能となりました」とアピールする。

毎週火曜日に医師、看護師、薬剤師、理学療法士、MSW(医療ソーシャルワーカー)、事務職員が入院判定会議を開き、入院期間や病状、家庭環境などの観点から事前に選定した入院患者さんを対象に、同病棟への入院(転棟)の適否を検討。

同病棟の松本優子・看護師長は「退院後をサポートする在宅サービスなど各種社会資源について、病棟スタッフ一同で勉強を重ねています。一人ひとりの患者さんに最適な支援を実践していきたい」と意気込みを語る。

今後は紹介患者さんの入院受け入れにも注力していく。上野英三事務長は「地域連携を進め、周辺の在宅療養支援診療所や訪問看護ステーションからの紹介患者さんの受け入れにも取り組んでいきたい」と展望する。

同院は従来どおり救急にも力を入れていく。定期的に行っている高砂市消防本部救急隊との勉強会を継続開催し、毎月の救急輪番日には新保院長が救急隊員に直接指導するなど緊密な関係を構築。また、できる限り毎年TCLS(徳洲会二次救命処置法)を開催し、新入職員を中心に蘇生技術の習得を推進している。今年、長年にわたり地域の救急医療体制の充実に努めた功績が認められ、兵庫県から表彰を受けた。

 

→徳洲新聞1319号掲載

 

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