徳洲会グループ
感染力強いオミクロン株拡大止まず
緊急リポート
新型コロナウイルスの第5波が収束し、日常を取り戻しつつあったものの、新たな変異ウイルス「オミクロン株」が確認され全世界に急拡大、日本でも12月下旬から急激に感染者数が増えている。沖縄県では1月7日に一日の新規感染者数が1000人を超え、9日、同県に加え広島県、山口県にまん延防止等重点措置が適用。日を追うごとに新規感染者数の増加ペースが高まり、予断を許さない状況が続くなか、とくに新規感染者数の多い沖縄県、鹿児島県奄美市、大阪府、東京都にある徳洲会病院のコロナ対応を緊急リポートする。
奄美大島で感染者が大幅増
沖縄県にある中部徳洲会病院では1月6日からコロナ病棟を再オープン、軽症・中等症用に13床、疑似症用に8床、HCU(高度治療室)にも10床(重症用2床、擬似症用8床)を用意した。診療体制では症状が安定している患者さんには定期処方のみの対応、外来の再診は電話診療に切り替え、緊急性のない検査や手術は延期するなどして、患者さんの来院機会を減らしている。
照屋いずみ看護部長は「家庭内感染や市中感染で陽性となった職員はいますが、院内感染は起こしておらず、第5波以降も感染対策を徹底したことが奏功しています」と強調。さらに「職員への3回目のワクチン接種は1月末に終了予定。今後、県内でさらに感染者が増えた際には、疑似症用の8床を陽性者用に転換し対応します。今のところ軽症が多いので、自宅療養もあわせながら対応することになると思います」と万全の体制を取る。
南部徳洲会病院でも県からの要請により11床(軽症・中等症)のコロナ病棟を再始動。1月3日以降、コロナ患者さんが続々と入院している。これと並行し、近隣の医療機関が診療制限を実施しているため、そのぶんの救急・紹介患者さんにも対応。さらに家庭内で濃厚接触者となったり、地域の保育園や小学校の臨時休校により子どもを預けられなくなったりして、職員が自宅待機せざるを得ない状況も多数発生している。
大城光子・看護部長は「いろいろな状況が重なり、今はこれ以上コロナ病床を増やせません。現状ではコロナ入院患者さんは若者が多く、重症化も少ないので、ホテル療養などに移行してもらい、なんとかベッドを空けるように努力しています」と苦しい状況を吐露する。
宮古島市では年明けに1週間の人口10万人当たり新規感染者数が1000人の大台を超えるなど陽性者が急増。宮古島徳洲会病院では15床のコロナ病棟をオープンし軽症・中等症に対応、さらに県立宮古病院が診療制限したぶんの救急・紹介患者さんを受け入れるなど、主に後方支援の役割を担っている。高齢者施設のコロナ検査も県立病院では受けられない状況のため、5日から宮古島病院で1日80件ほど対応。
国吉恵美・看護部長は「症状が安定している患者さんは定期処方のみに切り替えるなど、院内の診療体制を変更しました。一方、陽性者が出ない限り、健診センターや通所リハビリテーションは通常どおり行うなど、地域の方々の生活も守っていきたい」と意気込みを見せている。
石垣島徳洲会病院は軽症・中等症用に13床を用意しているが、今のところ入院患者さんはいない。そのぶん、宮古島病院や与論徳洲会病院(鹿児島県)に職員を応援に出し、一丸となってコロナ対応している。
友寄幸子・看護部長は「第5波の時期も含め職員の感染はないので、引き続き感染対策を徹底します。現状では特診外来の一部が中止になっていますが、ほかの外来や手術は通常どおり実施しています。地域の状況に柔軟に対応できるように備えていきます」と、意欲的だ。
沖縄県同様、感染者数の急増で医療提供体制に影響が出始めているのが鹿児島県の離島、奄美大島だ。島内で急激に感染拡大しており、とくに奄美市では10万人当たりの感染者数が沖縄県以上との見方も出ている。名瀬徳洲会病院はコロナ病床として軽症・中等症用に14床を用意、1月7日から入院受け入れを始め、14日時点で10人が入院している。島内には同院や県立病院などを含めコロナ病床が計30床あるが、満床に達しそうな勢いだ。また、名瀬病院では年明け以降、発熱外来も年末に比べて5倍以上の患者さんが訪れている。
上谷由美子・看護部長と感染管理責任者の久保悟・看護師長は「担当医師からは、患者さんの経過をみるとオミクロン株による感染だと推測できるとのことです。これからも地域の医療機関と連携し合い、コロナだけでなく、救急や一般診療にも対応していきます。現在、院内感染は起こしていないので、引き続き感染対策を徹底します」と口を揃える。
同じ奄美大島の笠利病院と瀬戸内徳洲会病院は検査を含め外来中心にコロナに対応している。
→徳洲新聞1321号掲載

